novel

□サヨナラの空
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長いような短いような三年間だった。

一人きりの教室でカラフルなメッセージで彩られた黒板を見ながら、自分の席に座ってそんなことを思った。

ガラッ

「まだ居たのか」

そう言って教室に入ってきたのは担任の銀八先生。入学した時から三年間、ずっと私の担任だった。

「まだ帰らないのか?」

先生はそう言うと私の前の席の机に座る。
もう、今日で生徒と教師という関係は終わったんだ。一年前から決意していた、この日に、先生に告白しようと。

「先生」

「んぁ?」

私は立ち上がり、先生の前に立った。

「私、あの、」

いざ言おうとすると言葉がつまる。大丈夫、振られても、もう先生と会う機会なんかほとんどないんだから。

「ずっと言いたかったことがあって」

「…………」

先生は黙ってジッと私を見つめている。恥ずかしい…。

「私、ずっと、先生のこと」

「はい、ストップ」

「え?」

先生は立ち上がると、私の頭をそっと撫でて少し笑った。

「ここまで来たらさ、さすがに俺でも予想つくんだよね」

「え、」

「俺が自意識過剰ってわけじゃないよな?」

「違うと思います…」

先生は私が告白の言葉を口にしようとしたことに気づいたようだ。そりゃ、こんな少女マンガ並みにベタなシチュエーションだもんね。

「こういうことはさ」

「うわっ」

きっと断られるんだと思ったとき、先生は力強く私を抱き締めた。顔が熱くなって、緊張で体が少し震える。

「男の俺から言うべきだろ」

「……先生?」

「好きだ、ゆい。このまま「はいさよなら」なんて、絶対したくなかった」

「っ………」

先生の言葉を聞いて、嬉しすぎて涙が溢れる。すると、先生が手がそっと私の頬を撫でた。

「おい…泣くなよ」

「だって…嬉しすぎてっ…絶対振られると思ってたからっ……」

「馬鹿か。お前しっかりしてんのに抜けてるとこあるから、一人じゃ心配でほっとけるかよ」

「先生っ……」

先生の顔がゆっくり近づいてきて、唇が重なる。ずっとずっと夢物語だと思ってたから瞬間が今、現実になった。

「絶対離さねーからな」

「離そうとしても、離れませんから」

「……はいはい」

見つめあって、笑いあって、キスをして。

学校を離れるのは寂しい、でも、私は先生との新しい出発が楽しくて幸せで、きっと誰より希望で満ち溢れてる。


サヨナラの空
サヨナラの時
それはあなたと私のハジマリになる



::アトガキ::
ありがちネタ(笑)






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