Main ぷよぷよ

□君とボク
1ページ/1ページ

「ねぇアミティ」

「ん〜?」

「ボクアミティが好きだよ」

「うん?」

「他の誰よりも、ずっと、ずっと」


それは夏の宿題を教えてもらおうとアルルを誘った日のこと。

アミティは?とか聞かれて…


(…困った;)











〜君とボク〜

「ん、うん?え、;;」

「もう絶対話し聞いてないでしょ」

「え、だって。あーうん」


焦る。今までこんな焦ったことはあったか。
と考える


「…アミティー」

「あ、ごめん」

「答えてくれないの?」

「いや、違、あの…」


落ち着け落ち着け。ただ単純な話かもしれない。
アルルは、私を、友達として、見てくれ


「アミティ、言っておくけど友達とかじゃないよ?」


て、ないらしい。
うーん…?全然分かんない。アルルは、友達?うん?

首をかしげながら必死で考え込んでるアミティを見て、アルルははあ、とため息をついた


「アミティ、別に良いよ?」

「えっ?」


なにが、って聞こうとしたけど、アルルがじゃあ続き教えるよって言って聞けなかった。


「…ていうかさ、」

「うん?」

「なんでボクに教えてって頼んだの。」

「えっ?」


なんでって、え、そういえば


「なんでだろ…」

「いやまあ、別になんでもいいんだけど」


アルルはそう言ってぱらぱらと教科書をめくり始めた。
頬に手をついて、次の所を教えてくれようとしていた。

でも、あれ、なんかアルル不機嫌?
答えなかったからかな…って考えが頭の中でぐるぐる回る。

さっきから頭の中はぐちゃぐちゃで、全く整頓されてなかった。

自分で考えても分かんない事ばかりでもう何にも言えなかった。


「…なに、アミティ、疲れたの?」

「えっ、いや、うん。」


疲れた。主にアルルのせいで。

んー、と言いながらアルルはぱたりと教科書を閉じた。


「ボクさー」

「、え」


急に話かけられてびっくりする。


「こうやって勉強してて思うんだけどね、」

「うん」

「人によって夢なんてばらばらじゃん、なのになんで無理やり押し付けられるのかな。」


楽しいのかな。どうなのかな。なんてアルルはいう。


「なんか、こっち来てから記憶飛んでてね、あんまり覚えてないんだ。」

「…え、そうなの?」


なにそれ、はじめて聞いたんだけど、

いつも楽しそうに笑ってるアルルから、こういう話を聞くのは初めてだった。

そういえば、だれかが言ってたな、お父さんが亡くなって、アルルはお父さんの変わり…
あれ、違う。なんだっけ、


「まあ、アミティにそんな事言ってどうすんの、って感じだけどね。」


今日アルル笑わないなーとか思う。

私って、関係なかったのかな。
もうよくわかんないや。

頭の中がアルルの事を考えすぎてもう教えてもらったことなんて覚えてなかった。


そしたら、アルルが口の端を少し吊り上げた。

あ、笑った。なんて、ぼーっとした頭で考える。
暑い。肌がじりじり照りつけられているような感じだった。
外で教えてもらうの間違いだったかな?

木陰で教えてもらってるのに、暑かった。


こうやって、こういう話したら、アミティはボクしか考えられえないでしょ?


アルルが、そんなことを言った気がしたけど、


「アルル、独占欲強すぎ…」


そういって、笑うと、アルルは少し驚いたような顔をした。
けど、すぐ笑って、


「ありがとう」


なんでお礼いうのって思ったけど、なにも言わなかった












(頭の中をボクだけにしたって、こっち見てくれないの?)
(自力で、頑張ってよ)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ