デュラララ

□心の隙間をうめるのは・・・・
1ページ/4ページ

あぶねぇ!!」
「え…『ガッシャーン!!』」
初めて池袋に来た日、私は飛んできた自販機に腕をぶつけた。
「あ、女の子には優しくしなきゃ〜シズちゃんwww」
そう言ってファーコートの男の人は私のそばを走り去って行った。
「この…!臨也ぁ!待ちやがれぇ!!」
後から来たバーテン服の男の人はそう叫んでゴミ箱を投げたが当たらず、また追いかけようとして立ち止まり、諦めたように私の所へきて手を差し出した。
「大丈夫か?」
「はい…」
差し出された手を掴んで立たせてもらいながら私は言った。
「腕、見せてみろ。」
「え?大丈夫なんで気にしないで下さい;」
「そういう訳にはいかねぇ。
怪我してたら俺の責任だ。俺の医者のとこに連れていく。」
「えっ…そんな大丈夫ですよ。
腕痛くもなんともないんで;
友達ともこれから約束があるので…これで失礼しますっ」
実はこれから彼氏に会いに行く。
遊びにおいでと住所付きで3日前にメールが来ていて嬉しかった。
ずっと遠距離だったから早く会いたい。
会っていっぱい話したい。腕は痛いけど、医者のとこなんて行ってられない。
私はその金髪の男の人の言うことを聞かずにその場を立ち去った。
私の急ぐ様子が伝わったのか、男の人は止めることなく見送っていた。


その夜、家に行った私が見たのは知らない女の子の手を握って出迎える彼氏の姿だった。
聞けばあのメールは間違いで、それを訂正するのを忘れていたらしい。
彼はそれを手早く説明すると玄関のドアを閉めた。
笑顔の「バイバイ」という言葉を残して。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ