めいん

□はじめまして、こんにちは?
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「…あった、」

自室に駆け込むとやはり机の上に財布と携帯は置いてあり、
財布と携帯を手にすると急いで家から出た。

「間に合うのか、これ…」

家から学校までは距離が長い。
今全力で走ってきてしまったため、帰りまでそういくかは疑問。
本音を言えば、間に合う自信など無かった。

しかし諦めて歩いていくわけにもいかない。
仕方なく自転車で行こうと自転車の鍵を探すも運命の悪戯か、見つかることは無い。

何としても自転車の鍵を見つけ出し自転車で行くか、直ぐに諦めて再び走るか。
どちらが早いか悩んだ。

結局、走ることを選んだのだが。

「ついてないな」

言ってもどうにもならないことだと分かりつつも、零さずにはいられなかった。
鍵を閉めると走りだして、学校まで4分の1と言うところまでに達した。

「まだ此処か」

これでは流石に間に合わないと舌打ちしたくなる気持ちを抑え、
再び走り出そうとした時。

「君、僕と同じ学校だね」

後ろから声をかけられる。
斎藤は驚き振り返ると、そこには茶髪に翡翠の瞳をもった青年が一人。
自転車に跨って、自分に声をかけてきていた。

「…同じ制服だからそうだな」

しかし青年は斎藤とは対照的なくらいに制服を着崩していて、
同じ学校の制服だとは思えなかった。
かろうじて同じ学校だと分かるのはブレザーと校章があるからだろう。

「何で今こんなところにいるの?しかも走ってる、って…。遅れるんじゃない?」

何で今こんなところにいるの、という問いは、青年にも当てはまるのに。
そう思いつつ、其処には何も言わずに口を開く。

「――忘れ物を取りに帰った。」

遅れることくらい分かってる、と少しばかり俯きながら問いに答え、
こんなところで話している場合ではないのだと再び走り出そうとした。

「あ!だからさ、僕の話聞いてた?今から走ったって遅れるってば」
「だったらどうしろと言うんだ」

走り出そうとしたところに口を挟み、
青年は斎藤の腕を引っ張った。

「乗っていいよ、放っておくのもなんかあれだし」

突然そういわれ、ただ呆然と立っている斎藤に遅れる、と半ば文句を言うと
無理矢理に自転車の後ろに乗せ、学校へと向かった。


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