佐和山1

□ねぇ、殿
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本日は佐和山城に真田殿と山城殿がいらしているので殿は顔には出さないですが

ご機嫌です…

やっぱり友達がいると嬉しいんでしょうね、山城殿が単独でいらっしゃると不機嫌になりますが
あの人は一人だと五月蠅いですからね

はいはい殿、毛ぇ引っ張らないで下さいよ
解りました、痛いですって、抜けるって、禿げるって!!

「…殿、言いたい事がある時は口でお願いします」

嬉しそうにくいくい毛先を引っ張る殿の手を握ると、耳元にぽそぽそと

「左近、鱧が食べたいのだ」

鱧…?
解りました用意させましょうと答えると、真田殿曰く俺専用らしいすっごい笑顔でこくこく頷く殿…ああ可愛い

でもね殿、俺より台所番に頼んだ方が早いと思うのですよ毎回

「あ、でも駄目だったら鮒でいいですかね?」

目の前琵琶湖だし楽々ですよ殿、言ったら思いっ切り引っ張られた

「喰い飽きた!!」

あ、はい、すいません、痛いです!!やめて!!お願い!!左近が悪う御座いましたっ!!
いて、いててて、抜ける抜ける!!
しかし殿、お願いするなら昼過ぎでなくて朝からお願い出来ませんか?用意する方にもね、時間が色々…え?
朝は別に食べたいと思ってなかったから頼める筈がない?
あ、はいはい解りました、解りましたよ…

ああもう
その笑顔反則ですよ本当にもう

襲いますよ もう





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