小説ノ部屋-普-

□短編:赤ずきん=オオカミ目線ver=
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しばらくして―――





ゴンゴン
「おばあさん、います?」
「(来た来た!)えぇ、いるわ。すまないけど、カギは開いているから入ってきておくれ」
「分かったわ」

…よく思えば、なんか、赤ずきんちゃんの声ってなんだか少しドスのきいた声のような気がしだが…。
まぁいい。えっと、風邪引いているっていう設定なんだよな?

ガチャ

「ふぅ、疲れるぜ。ん?ばあさん、どうしたんだ?さっきも声おかしかっただろ?」
「ちょっと、風邪をひいてしまってね…ゴホゴホっ……!?」

おい、ちょっと待て。
え?目の前にいるのが赤ずきんちゃん?
どうみても、赤ずきんをかぶった大男にしか見えないんだが?!

「ん?どうかしたか?」
「いっ、いや…なんでもないわ。ゴホゴホ」

…どうする、俺!?
この状況を…どう打開する?

「えっと、赤ずきんや?」
「あん?なんでそんな呼び方すんだ?あたしには赫子(かくこ)って名前があるだろうが!」

この赤ずきん(ちゃんはつけられない…)は、名前を言った後、壁を思いっきり殴った。

ドンッ!

鈍い音がした後、壁を見るとそこには…ひびが入り、ヘコんでいた。
にしても、どんなネーミングセンスだよ、こいつの親…。

「!?!?」
「・・・」
「ごっ、ごめんなさいねぇ…(やべぇ…赤ずきん怖ぇえ!!!)」
「よく見たら…ばあさん、何か顔違くねぇか?」
「えっ?そうかねぇ?」
「んじゃ、ばあさんの耳と目はどうしてそんなに大きいんだ?」
「それはね、お前の声がよく聞こえて、かわいい(?)顔が見えるようにだよ」
「んじゃ、手は…」

赤ずきんは俺の手を取って…。

「なんで若返ってんだ!?」
「(そっちかよっ!ってか質問おかしくねぇか?まぁ、例の答えでいいよな?)それは、かわいい(?)お前を抱けるようにだよ」
「ばあさんの口は…」

うっし、きt

「どうしてそんなにヒゲが多いんだ!?」
「なっ…!?」

いきなり、何を言うんだ?
おもわず地声が出ちまったじゃねぇか…。
くそっ、俺はまだ、気づかれるわけにはっ!

「まぁいいか」

えっ?いいんか?うっしゃあ!!!

「んで、口でっかくねぇか?」
「それは…お前を…

ついに来た。この時がぁああああああああああああああああああ!!!!

「噛みついてやるためだぁあああああああああ!!!」

(※俺は狼の血が混じっていても人に近いから一飲みなんで無理なんだぜっ★だから噛みつくんだぜっ★)

俺は赤ずきんに襲いかかった…が、噛みつく前に殴られた。

「ぐはっ!」
「あん?何すんだ?…ってか貴様誰だ?」
「いっ、いや…その…」

ちょい待て、これ聞いてねぇぞ!
なんで今代の赤ずきんは強いの!?
しかもすんげーマッチョだし!!!

そんな時、いきなりドアの開く音が聞こえた。

ガチャ

「やっと倒しましたか、赤ずきん…いえ、赫子!」
「!?」

声が聞こえたほうを向くとそこには縛っておいたはずのばあさんがいた。

「ばあさん、なんだいたのかよ」
「もちろんよ。まったく、あなたはいつも狼に騙されて…。少しは反省しなさい」
「んぁ…まぁがんばるよ。」
「ひょっほふぁふぇ!(ちょっと待て)」

俺は殴られたせいで顎が変なのか、呂律が回らなかった。

「ひょうひゅうひょほふぁ!(どういうことだ)」
「ん?あぁ…私はね、これでも昔受けた狼からの無念をしーーーーーーーーーっかりと覚えているのよ?すごいでしょう?まぁ、貴方への恨み憎しみ妬みと思っていてくださればいいわ」

あっっれぇ??
ばあさんの後ろに変なオーラ(&悪魔など)が見えるわぁっ★

「さぁてと、やるわよ、赫子」
「おうよ」
「あくまでも、おしとやかに、殺(や)るわよ」
「分かりましたわ、おばあさま」

やべぇ…本性知っちゃったからか、二人とも口調キモイ…。
ってか二回目の“やる”って“殺る”になってないか?聞き間違いか?

「フフフフフフフ…」
「オホホホホホホ…」
「ひゃっ…ひゃふぇふぉおおおおおおおおおおおおおお!!!」



――二人が危険行為を行っている間、もう少しおこのままお待ちください――





その後、俺が目を覚ました時、森の中の樹に逆さにつるされていた。

「ははは…やっぱり、俺(狼)ってこんな目にあうんだ…」

さりげなく俺の運命に涙を流し、そのまま目をゆっくりと閉じ始めた。

閉じ終えて少しすると、頭がさっきよりも、ボーっとしてきた。

「(俺…死ぬのかな?)」

もう一度、目の前を見てみたら、そこには銃を持ったオッサンがいた。

オッサンは俺を見て何か…言って…―――






そこで俺の意識は途切れた。






その後、俺が目を覚ましたら…目の前にオッサンの顔があった。

「!!!」
「ぐがぁ…」

こいつ…俺を抱き枕にして寝てやがr…いや、待てよ?

「…男に抱かれt…




―――――思考回路停止―――――




チ〜・・・・・・ン





この後、俺は毎晩オッサンの抱き枕にされ続け、逃げることはできなかったのであった。






「誰か俺を助けてくれぇええええええええええええええええええええええ!!!」


END
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