イナズマ裏夢

□君の匂い。<前編>
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すでに半勃ちになってしまっているそこに手をかけると、身体中がゾクリと震えた。


「…ん、んっ…ふ、あぁ……」


匂いだけで、こんなに興奮してしまうなんて。…変態じゃないのか、俺。

そう思いながらも、ここまできてしまったら、もう自制はきかない。

芯を持ち始めてしまった昂りを扱き、俺は上擦った声を上げる。


「ぁんっ…あ、はぁっ…!」


扱きの速度を上げると、自身の先端から粘着質の体液が垂れ落ちてきた。

それにも構わず扱きを続けると、その体液が指に絡まり、ぐちゅりと卑猥な音が耳に入ってくる。


(…っ、も…イキそうっ…)


分泌液のせいで滑りが良くなったからなのか、さらに自身を擦りたてるスピードは上がっていく。

それに伴い、先走りの精液が少しずつ溢れてくる。

彼女の匂いだけで絶頂を迎えそうになる羞恥からなのか、単に暑いだけなのか、身体が火照って仕方ない。

中心部に集まる熱を吐き出したくて疼く身体は、これ以上の我慢なんてきかないようだ。


「…っ、ひぁ…ん、ん…!あぁ、はぁっ…神崎っ……!」


もう、絶頂がくる。そう確信したとき。


ガチャリ、と。


「なんか呼ばなかった?風丸君」


女が、荒い息と高い嬌声、体液の音だけが響く部屋に、躊躇なく入ってきた。


「……は?…え、……っっ!!?」
「…あれ?ごめん。…私、邪魔っぽい?」


いきなり目の前に現れた神崎。

彼女は目の前で下半身を露出して床に座り昂りを握り込む俺に驚きながらも部屋の中に入り、パタンと部屋のドアを閉める。

特に抵抗はないようだ。

…と、冷静に解説までしていた俺はふと我に返って叫び声を上げた。


「うわあぁぁっっ!!」


この状況を理解すると同時に、俺はベッドにあった毛布を頭からおもいっきり被る。

――見られた。彼女に、見られた。


そう確信すると、恥ずかしさで頭がいっぱいになる。

好きな人に自慰行為を見られるなんて最悪だ、もう死にたい。

布団に潜り込んでぎゅっと目を瞑る。


…ああもう、早く出ていってくれ…!


光のない暗い中だというのに、激しい羞恥からなのか、視界が真っ赤に染まっている。


もう嫌だ、いたたまれなすぎる…!



 
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