イナズマ裏夢

□キッチンにはご用心!
1ページ/3ページ



「ヒーロートっ!何作ってるの?」

中々眠れずに訪れたお日さま園のキッチンで見知った赤髪を見つけ、悪戯心に由岐は彼に飛び付く。

案の定ヒロトは、びくんと身体を跳ねさせて過剰反応をしてくれた。

「えっ…!由岐!?えっ…と、ちょっと、ホットケーキを…」

何故にホットケーキ、なんて疑問はさて置いて。…いやエプロン姿可愛いとか、そんな意見も置いといて。

「珍しいね、ヒロトがこんな時間まで起きてるなんて」

今は、夜中の1時。ほとんどの者は寝静まっているであろう時間だ。

きちんと決められた時間に睡眠を取るタイプの彼は、こんな時間に一人キッチンにいるなんてことはまず滅多にない。

「…あー、…眠れなくて。お腹空いたからかなって思って」
「あ、だからホットケーキか」

確かに手軽に出来ていいかもしれない。
……それにしても。

「…へえ、寝間着にエプロンって…結構エロいんだね」
「ひゅあぁっ!?」

何の前触れもなくそう言って、由岐は二枚の薄い服の生地から透けた、ヒロトの敏感な胸の突起をきゅっと摘まんでみる。

途端、キッチンに甘ったるい声が反響した。

「…ヒロト、寝間着もエプロンも色薄いから…乳首、見えちゃってるね」
「いやっ、由岐…ん、くっ…ぅ、やめっ…は、離しっ…!」

由岐の腕から逃れようと身を捩るヒロトだが、彼女の力は本当に女かと疑いたくなるほど強く、それは叶わなかった。

由岐はそのまま行為を続ける。

「…っ、やっ…由岐…お願い…離して…っ!もうっ…む、無理……」

どうしたのだろう。この子、こんなに乳首を攻められるのが弱かっただろうか。

だが、やめてと言われて行為をやめるような素直な心を持つ由岐ではない。

聞く耳持たずと言わんばかりに厭らしく捏ねくり回していると、かたん、と物音がした。

「!」

それに逸早く気付いた由岐が、反射的に手でヒロトの口を塞ぐ。

ちらりと物音の方へ視線を向けると、そこにいたのは眠たそうに目をぐしぐし擦りながら歩いてくる白い髪の男の子。

…彼の入ったリビングには、キッチン同様に薄暗い明かりしか点いていないので、はっきりと誰かは分からない。

だが、あんな暗がりでも白っぽい髪というのはよく見えるものだ。

…風介か、厚石か。その辺りだろう。瀬方辺りの髪にも似た色だが、背丈や髪型からして、まず違う。

(…んっ、由岐…)
(…あ、ごめん)

そんな冷静な分析をしていると、腕の中のヒロトが苦しそうにもがく。
そこでやっと、由岐は自分が彼の口を塞いでいることを思い出す。

(…誰だろ…?)
(さあ…。…ねえヒロト、私…いいこと思い付いたんだけど)
(?)

疑問符を浮かべるヒロトに、由岐はにやりと笑った。そして徐に、彼の下着の中へと手を入れる。

「んッ!?……ふっ」

何とか声を上げずに留められたが、彼女の行動の意味が分からず、ヒロトは拒否の意も兼ねて由岐に視線を投げ掛けた。

彼女はその視線を受け、彼の耳元で言う。

(…声上げちゃダメだよ?気付かれないように…ね)
(っ!?)

それは行為を続けるという意味だろうか。

そんなの、嫌だ。
…そう、言いたかったけど。

先程彼女に胸の突起を捏ねられた際に、既に下半身のそれは勃起してしまっている。

これ以上の我慢なんて、利かなかった。
早く触れてもらいたい。早く、今すぐに。

そんな気持ちが勝ってしまい、ヒロトは戸惑いながらも、こくりと小さく頷いた。



_
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ