イナズマ裏夢

□ツンデレ×媚薬!
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「……あれ」

ふらふらと覚束ぬ足取りで街を歩く、後ろ姿に見覚えのある少年。

まあここはアメリカエリアなわけで、当然彼の出現率も高くなるわけである。


「一之瀬ー?」

背後から声をかけると、彼…一之瀬一哉は、びくりと肩を震わせた。


「あっ…由岐…?」

……どうしたのだろう、元気がない…というか、気力がない。それだけは、手にとるように分かる。


「どしたの?顔色悪いよ?」
「……なん、でも…ない…」

…大丈夫かフィールドの魔術師。
熱でもあるんじゃないか、おい。


「…もー、無茶しないで…」
「さ、触らないでっ!」

……ちょっと待て、今のは軽くショック、というか虚しいんだけどな一之瀬!!

ユニコーンの宿舎までお姫様抱っこで連れて行ってやろうと思ったのに、触れる前に思いっきり後退りされた。

……ちくしょー人の親切を…!

「……ねえ一之瀬、やっぱり熱とかあるんじゃないの?安静に…」
「な、ない!大丈夫だってば……!」


いや…どこからどう見たって大丈夫そうじゃないから聞いているんだが。

…ほんのりと赤い頬が色っぽいとかこんな状況でも空気読めない私の頭が考えやがる…。

「…もう、いい加減に…」

私がそう言いかけた瞬間、彼は、前方にいる私の方へと倒れ込んできた。

「……はっ!?」
「……んんっ……」

驚きながらその身体を抱き寄せて支えると、それが妙に熱いことに気が付く。
その上、肩で息をしている。

これは…相当ヤバいのかもしれない。

「あっ、と、とりあえず病院…」
「ちっ…が、待って、由岐……!」

病院を探してきょときょとと辺りを見渡す私に静止の声を入れ、一之瀬は小さく、『違うから、大丈夫…』と呟いた。

何が違うのだ、こんなに身体を熱くさせて……ん?熱く…?

私の脳の中に、一つの可能性が浮かぶ。
おそるおそる彼の下半身に目を向けると、そこには一部分だけ膨らんだズボン。

……確信をした。

「……それならそうと言ってくれれば良かったのに…」

ぼそりと愚痴って、私は一之瀬を両腕に抱き抱えた。所謂お姫様抱っこ。

「えっ!?ちょ、由岐…!」
「…人気のないとこ行こう?そこでヌいてあげるから、ちょっとだけ我慢して」

私がそう言うと、彼は顔を真っ赤に染めて俯く。…ヤバい可愛い。

「…ごめん…」
「いいよ別に」

可愛いから。

…とか言ったら照れ隠しに全力で暴れるだろうから、絶対言わないけど。







「んっ…由岐…」

やって来たのは近場の公園の公衆トイレ。
なんか人気ない割に新しくてめちゃくちゃ綺麗だし、なんだかんだでいいところだ。

ただし、私みたいなのがいなかったら。


「…ズボン、脱がしていい?」
「あっ…んぅ…」

一之瀬は何か言いたげだったが、まあとりあえず頷いたからよしとしよう。

彼のズボンと下着、つまりは下半身を覆う衣服を全て剥ぎ取って見えたそれは、先端からだらだらとだらしなく涎を垂らしていた。

「…っ、み、見ないでよ…!」
「…あ、ごめん」

やばいやばい、つい見入ってしまった。
いやー、エロって最強の武器だわ、うん。

「…は、早くっ…」
「……ッ」

…なんだその素直さ、薬のせいか。媚薬(かは知らんけど)のせいかオイ!!

ふるふると震えている一之瀬に小さなキスを一つ落とし、早急にそこに手をかける。
すると突然大きく跳ねる彼の身体。

「ぁ、あ…ふっ、…んん、っあ、イイ…」

肩を掴まれてそう喘がれ、一瞬理性を完全に失いかけた私が怖い。

「ふあっ、由岐もっと…!」

……うん、こんなこと言っていいのかは分かんないけど、媚薬万歳。いや媚薬かは知らんけどさ。

いつもツンデレな一之瀬はいつまでたってもデレてくんないんだよちくしょー!

…幼馴染み組には優しいくせに!!

自分で言っといてなんだけどちょっとムカついたから、感じやすくなってる彼の自身にラストスパートをかけてやった。

「あぁあっ、由岐激しっ…!!」
「今度は媚薬プレイ決定ね」
「えっ、いや待っ…はぁんっ!!やぁっ、イくッ、イく…由岐、ああぁっ!!!」


呆気なく果てた一之瀬の精子を舌で舐めとり、後処理を始める。だって一之瀬、力尽きて眠っちゃったし。

……それにしても、媚薬なんてどこで飲んだのだろう。不思議でならない。

そう思いながら彼のズボンを上げようとすると、そのポケットから一枚の紙きれと何かが入ってたらしい小さなビニール袋。

紙きれには、『会いたい人を思い浮かべながら食べると、その人に会えるぞ』と書いてあった。

…マークか誰かの悪戯だな。
……一之瀬届ける際に、媚薬の余りがあるか聞いてみよう、うん。









(…すごいな、本当に会えた…)
(…一之瀬?起きてんの?)
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