イナズマ裏夢
□君の匂い。<後編>
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「あっ…はぁあんっ!!」
由岐はぐっ、と先程達したばかりの風丸の自身に再び手をかける。
瞬間、彼から漏れた甘い声。
「い、やっ…!!もっ、やだ…!!」
「…もう、勃ってきてるよ?」
ゆるゆると上下に扱いただけなのに、すぐにそれは反応を示した。やはりまだ敏感になっているままなのだろうか。
指摘をすると、風丸はかあっと効果音がつくかと思うほど顔を真っ赤にして、彼女の腕を押し退けようとする手に力を込める。
「どうしたの?さっきは…あんなに気持ちよさそうだったのに」
「き、もち…よく、なんかっ!」
「……へぇ」
ああ、まただ。また、この苛々…というより、むず痒い感覚。
早く認めてしまえばいいのに。
「ぁ、あっ!?」
ぐりっ、と亀頭部分に施した刺激に、彼は小さく喘ぎをもらした。
やはり誰であっても、ここは敏感らしい。
「ああぁっ!やめっ、そこ…んっ!」
するりと、由岐の腕を掴んでいた手が重力に負けて落ちてしまう。
ゾクゾクと、指先にまで痺れのような快感が走る。…力が入らない。
それでも、飛んでしまいそうになる理性を必死に繋ぎ止め、彼女を拒否した。
「も、う…!い、いい…加減、に…!」
「嫌。…ね、キスしよ」
風丸の返答も聞かず、由岐は彼の唇に自分のそれを重ねて、無理矢理に舌を捩じ込む。
「んっ!?ふっ…んん、う…」
舌で口内を掻き回される心地好さに、思わず身体が素直になる。
歯の裏を舐められたり舌を吸われたり、そんな気まぐれな口付けに、凄く興奮した。
けれどそんな自分を認めたくなくて、風丸は拒否をし続ける。
最後の理性が途切れてしまえば、もう…どうしようもなくなるから。
「っ、ぷはっ!!」
ようやく口が離れたかと思うと、今度は胸の突起に手をかけられた。
何もされていないのに勃ちあがったそれは、目敏く主張をする。
「はぁ…っもう、神崎っ…んぁっ!」
「なぁに?」
「ひっ…う、やめっ、痛っ…!」
「割に萎えないけど。マゾ?」
爪で引っ掻くように刺激したり、指の腹でぐりぐりと弄くりまわしたり。
由岐は好き勝手な愛撫を施した。
その度に彼が震えあがることに、わずかなりと高揚感を覚えながら。
「あっ…ん、…うぁ、だめぇ…!」
「おー、先走りダラッダラ。腰も動いてるし。…ホント、淫乱だね」
「ちっ、違う…!俺は…!」
一旦収まった涙を、風丸はまた溢しはじめた。感情的な部分も手伝っているのだろうが、おそらく主は生理的なもの。
由岐は少しだけ、口角を吊り上げる。
「嘘つき」
「う、嘘なんかじゃ、ない…!」
「…ふーん、じゃあ、もうやめた」
そんな声と共に、由岐の指は、彼の身体から完全に離れた。