イナズマ裏夢

□発情期注意報
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「あっ…」

くるりと向きを変え、とん、と彼を壁に押し倒し、形勢逆転。
ああそうか、上半身裸のままだったんだ。

「ひ、ぁ…っ」

首筋に舌を這わせると、南沢くんは震えながらも私に抱き着いてきた。

んっ、と時々喘ぎを噛み殺すような声が漏れるのが、たまらなく可愛い。

「はっ…あ…ぅ、……んんっ」


一旦首筋の愛撫を止め、今度は舌を左胸の乳頭へと持っていく。
ちう、と少しキツく吸い上げると、彼の身体は強張り、びくんと跳ね上がった。

右側は気紛れに指を押し付けたりぐにぐにと弄くりまわしたり。

「由岐、さっ…ぁ、あ…っ!」
「ね、ちゃんと…感じてる顔、見せて?」

私は至って優しくそう言うが、南沢くんは私に抱き着いたまま離れない。顔を見せるのはどうしても嫌なのか。

「…もう、嫌なら嫌って言えばいいのに」
「ぅあっ、そ、こ……!」

再び乳首に噛み付くと、私の太ももに当たるそれが更に硬く芯を持った。
ズボンの中じゃキツいだろうな、なんて考えながらも脱がしてはやらない。

「ああっ…も、ムリぃ…!」

布越しでも分かるくらいに大きく脈打ち始めた彼の自身。…流石に可哀想になってきた。

「南沢くん、どこ触ってほしいの?」
「んうっ、そんなの決まって…!!」
「分からない。言ってみてよ」

本当は知ってる。どこを触ってほしいかなんて、分かりきっている。
でも私は、さも分からないといった顔をしながら南沢くんに口付けた。

「んっ…ふ、…はあっ、…んぅ…!」

なんとか私のキスに答えようと必死に舌を絡ませようとしてくる姿は本当に可愛い。
なんかこれ、皆に言ってる気がするけど。

「ぷはっ!はっ…あ、ん…俺っ、の…!」

よほど苦しかったのか、彼は口を離した途端に酸素を求めて息を荒くする。口端から垂れる涎が色っぽい。

「俺の……何?」
「お…俺のっ、…ち、ちん…こ……っ、さ、触って…っ由岐さん…!」

私はその返答に笑みを溢し、ズボンをずらして直接彼の自身に触れた。
甘く艶かしい声と舐めるような視線が凄くエロい。

「今日はやけに素直だね?前はあんなに嫌がってたくせに」
「は…ぁ、ケースバイ、ケース…ですよ…っ!」
「ふむ、つまり今日南沢くんはどうしてもシたい気分だったんだ?」

<ケースバイケース>
原則にとらわれず、一件ごとの事情に応じて問題を処理すること。(Yahoo辞書引用)


真面目に解説なんてしてみたけど、実際私の頭の中にそんな言葉の意味を考えるような隙間はない。

今は目の前の彼でいっぱいだ。


「ひぅっ、違っ…ぁ、そんなんじゃ…!」
「じゃあ、どうして誘って来たりしたの?欲求不満?」


私が問いかけると、南沢くんはぐっと押し黙ってしまう。けれどここで引き下がったりはできない。だって私はSだから。

「ん…ぁ、それ、はっ…!」
「んー?」

答えを待って手を止めると、彼の腰は物足りなさそうに前後に揺らいだ。

開け閉めを繰り返すだけの唇にそそられて今度は軽いキスをしてやると、南沢くんは意を決したらしく、言葉を発する。


「…その、…あの日、から…由岐さんの、…が…忘れ、られなくて……」
「…へぇ?」
「ひ、一人でシても、満足…んぅっ、でき、ない…から…っ」

…ほほう、一人でシていたのか。
それはまあ、思春期真っ盛りの中三男子なわけだし?オナニーくらい当たり前だと私は思ってるよ?

ただそれが当たり前だからってその言葉をスルーしちゃうほど私は甘くはないんだな、これが。

「…ねえ、どんなことしたの?」
「え…ぁ、…ま、前に、シてもらったようなコト……」

…前って、あれか。アナル攻めか。
確かに気持ち良さそうに喘いでたし、感覚が忘れられなくて…か。

……やっべ、想像したら涎が。

「ふーん、後ろまで弄ったんだ」
「あっ、ひぁあんっ!!や、いきなり…っ」

扱いてほしかったくせに、亀頭…というよりは尿道辺りを人差し指で軽く引っ掻くと、彼は身を捩って抵抗をしてきた。

それでも性欲には抗えないらしく、次第に素直になっていく。

「気持ちいい?」
「あ、ぅ…んっ、いい、そこっ……!!」
「腰揺らしちゃって…南沢くんは淫乱だね」
「やっ…ぁ、あ、篤志…っ、て…!!」


ぎゅう、と私の肩を掴んで生理的なものであろう涙を流しながら名前呼びを要求してくる南沢く…じゃない、篤志くん。

可愛いことこの上ない!

「んぅっ、も、イく…からっ!!」
「ん…じゃあ後ろはまた今度ね。…イッてもいいよ」
「あっ…ん、こ、んどって…いつ…?」

…そんなにアナル攻め期待してるのか。
射精を我慢してまで今聞くのか、それ。

「んー、そうだな…私の携帯のアドレス教えるから、シたくなったら電話してよ」


私がそう言うと、彼は納得したのか、私の背に爪をたてながら達した。



 
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