イナズマ裏夢
□恥ずかしがりの負けず嫌い
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仕事帰りの街中で見つけたのは、なんだか見知った水色のふわふわした髪。
随分と小さいが決して小学生ではない。だって雷門中の制服着てるもん。
多分、いや絶対。
「倉間くーんっ!!」
「…げ」
「げって何」
失礼だな。仮にも身体を重ね…てはいない、私が一方的に手を出しただけだな。
まあとりあえず、何度か性処理をしたほどの親密な仲だというのに。
「…何してんすか、神崎さん」
「いや仕事帰りなんだけどねー、ちょっと本屋さんに寄り道」
「…ふーん」
「えっ聞いといてその反応!?」
なんかその冷めた視線がお姉さん悲しいよ!!っていうか無駄に警戒されてる!!
そりゃまあこの間はちょっと激しくしちゃったから警戒されて当然っちゃー当然なんだけど…。
「じゃあ、倉間くんはどこ行くの?これから帰り?」
私がそう問いかけると、彼は心底答えたくなさそうな顔をした。
「…え、何?なんなの?」
「……やめた。帰ります」
「え、ちょっ!?なんで!?あっもしかして本屋さんにエロ本でも買いに行くの!?」
「なんでエロ本に限定するんだよ!!参考書買いに行くだけ……あ」
「参考書?」
ほう、そうかそうか。学生だもんな、やはり本分は勉強なわけか。本屋で買うのは、まあ…エロ本は冗談にしても、雑誌か何かだと思っていたのに。
…あ、そういえば、拓人くんがテスト近いからって変態行為禁止令出して来てたな。
おかげで私は毎日理性と格闘中だよ。
「もしかしてさ、勉強が分からなかったりする?」
単刀直入にそう聞いてみると、案の定図星らしく、倉間くんはばつが悪そうに俯く。
もうっ、それならお姉さんに言ってくれればよかったのに!
「私が教えてあげよっか?」
「え…」
「私一応大学出てるし、中二の勉強くらいなら教えられるよ」
「………」
お、脈アリ。バリ3並だった警戒心が解けるなんて…そんなにヤバいのか勉強。
「……いいんですか?」
「いーよ、暇だし」
「…じゃあ、その…お願い、します」
…ほんと私のツンデレ萌えに拍車をかけてくれるよこの子。キュンキュンするねこのツンデレ加減。
「よし、じゃあ行こっか。あ、手つなぐ?」
「なっ、子供じゃないんですから!!」
冗談だよ、と言って笑いながら、私は彼の前方を歩く。
むすっと頬を膨らませた倉間くんも、ゆっくり私の後をついてきた。
「ここはねー、足して−5、かけて6になる二つを見付けるんだよー」
「あ、はい…あの、」
「あ、それ違う。片方が+だと−になっちゃうから」
「え?ああ、そっか……っていや、あの…近いです神崎さん、距離が」
んん?そんなもん勉強教える側の私への報酬だよ倉間くん。っていうか、久々にショタ男子に抱きついた気がする…。
ああ、デオドラントとか使ってるんだろうか。…汗の匂いも好きなんだけどな。
「んーでもいい匂い」
「その変態思考どうにかならないんですか」
「それが私」
「…変態の自覚はしてるんですね」
ふっ、この間とある雪原の王子様に『由岐さん、最近更に変態度が増したよね』とか言われたからな、認めるしかないじゃんもう。
つかあの子ちょっとSっ気が増しすぎなんじゃないのか。まあ苛めがいあるけど。
「いーじゃん、変態は変態らしく?」
「まず常人に戻る努力をしろよ」
あれっ敬語どこいった。
やめてよそんな冷めた目で見るの!
「むー、でも私が変態じゃなかったら倉間くんは私と気持ちイイことできないよ?」
「うっさいッ!!」
…怒鳴られた。
でもそれはアレだよね、気持ちイイのは認めるんだよね。
「っていうか…勉強進まないじゃないすか」
「えー、いいよ?無視して進めて。間違ってるところは指摘するから」
「…………」
呆れ顔ではあ、とため息をつき、倉間くんは机…というか、テーブルに向かい、数式を解き始める。
ちなみに私は今、床に座って私の足の間にいる彼を抱きしめている状態だ。
…まあ、それにしても暇である。だって倉間くん滅多に間違わないし。
仕方がないのでお約束の展開。皆様長らくお待たせいたしました。
「っひ!?」
ちゅ、と首筋に吸い付いてみる。
途端にびくんと跳ね上がる彼の身体。
ああ、可愛い。久々の感覚だ。
「っちょ…神崎さんっ!?」
「んー、いーよ、勉強続けて?」
「続けてって…無理、やめ…ッあ!」
今度は耳に舌を捩じ込ませてみた。
ぐちゅぐちゅという音が気持ち悪いのか、倉間くんは身を捩って抵抗する。
けれど私が抱きしめてる状態なんだから、そんなに簡単に逃れられるわけもない。
私は続けて、服の中へ左手を侵入させた。