イナズマ裏夢

□だから好きと言えない
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ただ、いつもよりちょっと激しい程度のキス。

久しぶりだからか、それだけで下半身が熱を帯びてきた。


服が捲り上げられ、腹から胸へと彼女の指が滑っていく。

…ダメだこれ、焦らすときの触り方だ。


「んっ…ふっ……」


片方の胸の突起部分に吸いつかれる。
もう片方は人差し指と親指で捏ね回されて、益々身体が熱くなってきた。

気持ちいい、けど、そんなこと言えない。


「ッ、あ…」


手先から足にまで痺れが走って、思わず足を擦りあわせてしまう。

そんなことしたって、この疼きはどうしようもないのに。


「興奮しちゃう?」
「…ッ、」


分かってるくせに、わざわざ聞いてくるところが憎たらしい。

反論する代わりにキッと睨み付けてやると、いきなりズボンを脱がされ、両足を持ち上げられた。


「なっ…!?」
「ははっ、すごい先走り。ちょっと使わせてもらうよ」


そんな言葉が聞こえてくると同時に、一瞬だけ熱い中心部を触られた感触。

ほんの一瞬だというのに、身体は待ってましたと言わんばかりに跳ね上がる。


「あっ、やぁっ……」


そんなこともお構い無しに、由岐さんは先走りを潤滑油に、早々に後ろの孔に指を入れてきた。


「ん、あっ!い、痛…ッ」
「そう。じゃあ、ゆっくりにするね」


普段よりも格段に遅いスピードで、内壁を擦られる。

擦られる、だけ。抉ったり、前立腺を突いたり、そんなことは一切してこない。

ただ前後に、ゆっくりと出し入れされる。


「…ん、ん…っ」


加えて、今はそれ以外のどこも触られていない。

それがどうにももどかしくて、自分で身体の熱い箇所に手を伸ばしそうにさえなってしまった。


「はっ…ぁ、ううっ……」


ぐちゅりと、先走りが量を増して卑猥な音をたてる。

けれど、快感が頂点にまで達せず、精神的にも体力的にも辛いばかりだ。


「っう、あ、由岐さんっ…!」
「なーに?」
「や、やだ、もう、俺…っ!」


イキたい、そうは思っても口には出せない。
こんな場面でも、やはり羞恥心は残る。


「どうしたの?」
「っあ、もう…無理っ、お願いっ…!」
「…ん?」


こうなったらとことん意地悪な彼女は、助け船なんて出してはくれない。

そんなの、分かりきったことなのに。

ここで屈したら負けだと思うけれど、やっぱりどう頑張っても性欲には勝てない。

俺は、恐る恐る口を開く。


「…っ速く、もっと……っ」
「なにが?」
「ゆ、指、…っ俺の、ナカの…指…っ、うご、かして、」
「…それから?もっとあるよね、してほしいこと」
「…お、れ…の、」


ああ、こんな恥ずかしいことまで言わなきゃならないのか。

快楽に溺れる、って、こういうことを言うんだろうな。


「…あ、熱い、ところ…」
「どこ、ってちゃんと言ってくれないと」
「…っ、ち……ちん、ちん……っ!」
「…ふふっ、どうしてほしいの?」
「しゅ、しゅこしゅこって、こ、コスって…い、イかせてほしい…っ!」


火が出そうなくらい、顔が熱い。

どうしてほしいかを言わされたことは何度かあるけど、「ナニを」までは問われなかったのに。


「拓人くんはお尻の穴ぐちゃぐちゃにされておちんちん擦られて、興奮しちゃうんだよね?」
「〜〜っ…」


ここで反論したら、きっとまた焦らされる。そう思うと、違うだなんて言いたくても言えなかった。


「じゃあ、淫乱な拓人くんにご褒美ね」
「あ、ひゅああっ!!」


っあ、気持ちいい…っ!!

ちょっと痛いくらいの扱き方が、たまらなく射精を促してくる。

カリとか尿道とか、引っ掻かれるみたいに爪で擦られると、もう我慢がきかない。

それに加え、中に入った二本の指の感触。

中指で内壁を抉るみたいに中を擦られ、人差し指で前立腺を突かれた。


「あ、あっ、も、むり、壊れちゃ…っ!!」


ぎゅうっと彼女の両腕に爪をたて、ぶっ飛びそうになる意識をギリギリのところで保つ。

けれどそれも、そろそろ限界。


「い、イクッ、我慢できないぃ…っ!」
「んじゃ、ラストスパートね」
「はぁああっ!!あ、も、イク、イク、イクッ…!!」


由岐さんの声とともに、一気に絶頂へと向かわされる。

イク寸前の不安感など忘れて、ただ快感だけを求め、俺は白濁を撒き散らした。



 
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