早く逃げてください！

私はここに残ります。敵の目標は私のはずです。あなた達はうまく城を出て下さい。

駄目です！

ﾘﾘｱｰﾇ様がいれば軍は立て直せます！

ではﾏﾘｱﾍﾞﾙも一緒に！

それも…できません。
近くからﾌｪﾙﾄ将軍の禍々しい魔導力を感じます。この城を消滅させることが出来そうなほどの…。

…！

ここは…私でなければ守れません…早く…早く行ってください！

それなら…私もここで一緒に戦います！

ﾗｲﾝﾊﾙﾄさん！
お願いします！
早く！

行くぞﾘﾘｱｰﾇ！

あ…待って！
放しなさい！
国王命令です！

駄目だ！
ﾘﾘｱｰﾇ！
大陸の命運はお前にかかってるんだ！ﾜｶﾞﾏﾏを言うんじゃない！

死んでは駄目です！ﾏﾘｱﾍﾞﾙ！

いいんです。
私たちはみんなﾘﾘｱｰﾇ様に救われて、ﾘﾘｱｰﾇ様のために生きてるんです。だから…ここは任せるって言ってください。

…！
任せましたよ。ﾏﾘｱﾍﾞﾙ！

はい！

…来た！

…一人か？
直属部隊も残さないとは余裕だな。

私の部隊はﾘﾘｱｰﾇ様の護衛に付けました。
そちらもお一人みたいですね！？
ﾌｪﾙﾄ所長！！

ほぉ…やっと気付いてもらえたようだな…。まぁ貴様が去った後、体を交換した俺も悪かったがな。

あなたと話していると研究所時代を思い出して気分が滅入ります。早く終わらせましょう。

まぁそう事を急くな。もはや結末は少したりとも変わらん。

せめてあなたを道連れにします。

相変わらず可愛くない奴だ。
どうだ？俺のところに戻ってこい。一度は魔導の深奥を究めんと研究所に籍を置いた身だ。まだやりたいことはあるだろう？

なっ！
なんて恥知らずな…！

そうか？
どうせ短い人生だ…過去やﾌﾟﾗｲﾄﾞや国家などに囚われていては何も得られんぞ？

よく言えたものですね…！過去に一番囚われているのはあなたじゃないんですか？転生の禁呪だって…！

黙れ！！
これが最後だ。
俺のところに戻るか。それともここで消しｽﾞﾐになるか？

もちろん…消しｽﾞﾐになるのはあなたです！

愚か者め！

おっとっとっと！
ちょっとお待ちをお二方！

何の用だ？

ﾌｪﾙﾄさんも素直じゃないですねぇ。ﾏﾘｱﾍﾞﾙさんが次の研究に必要なんでしょう？消しｽﾞﾐにしている場合ではないのでは？

…。

ほら。
遅くなったけど11歳の誕生日ﾌﾟﾚｾﾞﾝﾄだよ。

何だこれは？

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