過去拍手
□泉孝介
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あったか心
「最近寒くなってきたね」
「そうだなー。つか、手袋もマフラーもしてなかったら当たり前だろ」
泉はそう言ったが、泉だって手袋もマフラーもしていない。
スカートの私のほうが寒いとは思うが、泉も寒そう。もうすぐ冬本番のこの季節にはやはり手袋くらいは必要だったか。
手が、寒い。
泉の手も、寒そうだ。
手、繋ぎたい、な……。
そんなこと思っても、私から手を繋ぐなんて大胆な行為は無理だった。だから、袖の部分を少しだけつまんだ。
「…………」
泉は黙って私の手を袖から振りほどく。
どうしよう。泉、嫌だったのかな。
うつむき、泉の斜め後ろを歩く私の片手が急に温かくなった。
「え、泉……?」
「俺、寒いから……」
そう言って、私とは真逆の方向を見る泉。
君の顔の赤らみが、どうも私にとってはあたたかい。
fin
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1代目の拍手作品です!
今の季節限定の夢小説ですねー。
真冬になったら、どうしよう……。
顔が真っ赤な泉君を想像すると私はとてもニヤけてしまいます(笑
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。