book
□結
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スタッフ「あーもう、どうしたらん!!!」
上司の怒号が飛ぶ
M「あれれ。今日はまたいつにも増して…」
O「挙動不審だねー」
A「”心ここにあらず”って感じ」
N「相葉さんっ、そんな難しい言葉どこで覚えたの!?」
S「…」
メンバーは私の挙動不審っぷりを餌に盛り上がってるけど翔はだんまり…
収録後はすぐほかの仕事があるから今日はもう話すらできないだろうし…どうしよう…謝りたい…
そう悶々してる間に収録も終わりメンバーは個々の仕事でそれぞれに局を後にした。
私は今日の仕事のダメだしで上司に呼ばれて、通路をとぼとぼ歩いていた。
そこに
S「らん」
目の前に翔の姿が…
「あれ…次の仕事…巻き気味で急ぐはずじゃ…」
S「…はぁ…巻きにしたのは誰のせい?」
「う……わ、私です…」
「まあ、さっきの俺も大人気なかったから謝ろうと思って。話がてら、玄関まで見送って?」
「うん―…
はいっ。かしこまりました!タクシーを手配させていただきます!」
人がいたので慌ててスタッフモードで対応した
上司にも”櫻井さまのお見送りと”連絡し
人はたくさんいるので大した会話もせずあっという間に玄関に着いた。
「―では、お疲れ様でした。お気をつけ―」
言い終わる前に翔は私をタクシーの中に引き込んで
S「出してください」
と一言。
「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?????」
絶叫したかったけど、翔に口を塞がれてしまい、そのままタクシーは走り出した。
―――――――――――
タクシーが動き出して、どの位経っただろうか?
私は引き込まれた時の体制のまま、座席に寝転がったまま頭の中が真っ白で動けずにいた。
え…と
ハッ!
仕事ーっ
どうしよーっ
つか、私…
翔っ
何故私は一緒にいるんですかーっっっ?????
私の脳内を察したのか
私の頭上で翔が誰かに電話しだした。
S「―あ、マネージャー?―うん。また急に具合悪くなってさ、―あぁ、例のスタッフも一緒。付き添ってもらってる、何も言わずに出てきたから局の人に伝えておいて。―うんーーじゃあよろしく。」
「大丈夫だよこれで。
―起きれる?」
「はっはいっ」
ガバッと起きたはいいけど、やっぱり現状が理解できず
座席の端にちっちゃくなって座った。
時々チラッと翔を見てみるけど、窓の外を眺めていて表情が見えない。
とりあえずどうにもできないので、黙ってついていくことにした。
タクシーがとある高級住宅街で停まった。
翔は無言で私の手を取りタクシーを降りて歩き出す。
なんだか
コワい
どうなるの?
どうなっちゃうの??
早足で歩く翔に引っ張られるまま
思考回路はもう満杯で
クラクラしてきた
どれくらい歩いただろうか?
一棟の高そうなマンション…億ションって言うんでしょうね…そこに入って行く。
そして最上階へ。
玄関ロックが解除され中へ。
「…」
玄関ホールで動けない私。
後ろでドアが施錠された音が聞こえた。
背後に翔の視線を感じる。
「翔…えーっと…し、仕事は?」
思わず声が上ずった
S「あー…具合悪いって言って、今日はキャンセル」
「そ、そうっ。だよねっ!たまにはゆっくりするのもいいよっうんっ!疲れるよねっ毎日ハードスケジュー…ル…」
背後からギューっと力強く抱きしめられる
「あ、あはは…翔…」
「笑ってごまかすな…今日はもう…朝まで…
らんも俺に付き添ったあとは帰っていいって伝えてって局から連絡来てたし」
「あっ朝まで…」
思わず生唾を飲み込む
S「想像は…してるんでしょ?」
私の心を見透かすようにほくそ笑んだようなしゃべりかたをする翔
「…」
顔から火が出てるんじゃないかってくらい熱くなる
S「らんが寂しいって思うように、俺だってスゲー寂しいんだよ。
この仕事してる以上、”普通”の恋愛はできない。それじゃあ相手がかわいそう、って思って今まで一人でいたんだ。
でもらんが俺の前に現れてから
一人じゃ寂しい・らんをそばに置きたい・離したくない…一つになりたいって…日に日にその気持ちは増す一方でさ…
”免疫がつかない”って言うなら、もう…待たない…いや、待てない。
俺がつけてやるよ。気絶しても構わないからな」
そう言うと
私の耳を甘噛みし、翔の指が私の口内をかき回す。
反対の手は胸をわしづかみ荒々しく揉みしだく
今までと違う
本気なんだ…
恐いような、待ってたような…
考えることもできない
力が入らない
へたり込もうとすると
翔は私を
”お姫様だっこ”をして
部屋の奥に
連れて行った…