図書館連載
□In the reading room business
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襲撃の後、寮でコンビニで買ってきたおにぎりを頬張りながらニュースを見る。
連続通り魔殺人事件の容疑者が逮捕されたらしい。容疑者は17歳の少年。少年の部屋の映像には問題図書がちらほら映っている。
その後は郁の叫びに邪魔されて聞こえなかったものの、光に告られたという彼女を柴崎といじり倒した。
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「郁急いで、あとちょっとで遅刻だよ」
寝坊した郁を柴崎に押しつけられて二人して遅刻しそうだ。大方光のことで悩んで寝れなかったんだろうけど。
ドアを開けた瞬間光とぶつかった郁の反応に笑ってしまったのは秘密だ。
「おはよう前橋さん、体は大丈夫?」
「おはようございます。
伊達に堂上二正にしごかれてませんから大丈夫です!!」
くすくす笑われるが事実だから仕方ない。
「そういえば昨日のニュース見た?少年の部屋の映像のところ」
「あ、はい。確か望ましくない図書があったかと…」
容疑者の父親は都内の高校の校長らしい。不祥事を隠す為であろうことがまるわかりだ。
自分にはどうしようもないとわかっているけど、憤りは収まらない。とりあえず閲覧室業務に集中して気を紛らわせる。
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休憩になり、昼食の買い出しに小牧二正と光と共に向かう。郁に告白したと聞いたけど、普段通りな光。
「なんで郁に告ったの?ぶっちゃけ光、郁のこと嫌ってたのに…」
「…お前も堂上二正も小牧二正も玄田三監もあいつと打ち解けて欲しそうで、興味が湧いた」
しれっと答えた光に拍子抜けする。なんで友達をすっ飛ばしたのかわからないが、やっぱり面白い奴だと思った。
買い出しから帰ると郁がワタワタしていて、こっちも面白い奴だな、と再び思った。
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休憩を終えた郁は急に「日野の悪夢」の詳しい資料を見たいと言ったらしく、堂上二正に連れられて書架に向かった。
昼を柴崎と食べたみたいだから何か吹き込まれたには違いない。
「光何か知ってる?郁が自分から調べ物とか珍しいからさ」
「さぁ…?小牧二正に聞いてみたらどうだ?」
会話が近くにいた小牧二正にも聴こえていたようで、僕たちの方へ近づいてくる。
「多分警察が来てるからじゃない?柴崎さんなら因縁あるとかちゃんとわかってそうだし、そこから調べてみようと思ったんだと思う」
如何にもありそうな話に納得し、再び仕事を再開する。
告白と因縁
まさか小牧二正の言ったことがビンゴだったなんて、