図書館連載

□In the office
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郁への査問は午後二時から一時間。その間僕達は事務室で待機だ。


「郁、大丈夫ですかね…」

「俺達に出来ることは全部やったからね、今は笠原さんを信じて待つしかないよ」


小牧二正の言葉は尤もだが、心配なものは心配だ。しかも郁だから尚更。
否が応でも溜息がでる。


「一時間って長いものですね、郁にとってはもっと長く感じられてるんでしょうが…」

「うーん、どうだろう?意外とテンパりまくってたらあっという間に終わるんじゃないかな?」

「あぁ、郁ならありそうですね…」


軽い会話をしていても、やはり雰囲気は重くなってしまう。
堂上二正は仏頂面で時計をチラチラ気にしているし、光は落ち着きがない。
そういう僕もそわそわしているけど、まだ二人に比べればマシだろう。

この重い空気に一時間近くも耐えられる程僕は図太くないので、コーヒーでも淹れてこようと席を立った。


「コーヒー淹れて来ますね、皆さん要ります?」

「あぁ、頼む」

「…よろしく」

「俺も頼んでいいかな?」


三者三様の返事に笑いを堪えつつ、僕は事務室を後にした。


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