‡Seed‡
□姫〜拒絶ーキョウフー〜
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あの日以来、僕は部屋を出ていない。
学校へ行けばアスランと会うから…病気と言うことで自宅教育となった。
と言っても結局本当に食事もままならなくなって、病気になってしまったんだけれど。
父さんのことだ。どうせどこかの学校に転校させる気なんだろう。
沢山の人が見舞いに来てくれたけど…、会う気にはなれない。
母さんであろうと父さんであろうと、部屋に人を入れる気にはならなかった。
「アスラン…アスラン……」
部屋の中に飾られた二人で撮った写真。
僕の顔だけ真っ黒に塗り潰した。
僕の顔なんてどうでもいい。アスランの顔がみたい。
アスランが居れば生きて行けるから。
「ふふっ…、アスランまた笑ってる。アスラン、愛してるよ。君も愛してくれ
てるよね。」
もう僕は狂ってしまってるんだろう。
何も感じない。
ただアスランの顔を見ていると愛しさが溢れでてくる。
『キラ、食事よ……もう何日も食べてないでしょ?今日は私達と食べましょう
?』
「アスラン……好きだよ。大好き。愛してる。」
何か外から音がする。
でもアスランが僕に笑いかけてくれているんだし、関係ないよね。
『キラ……置いておくわね。』
あぁ、煩い音がやっと止んだ。二人きりだよ、アスラン……?
それなのに何故、涙が溢れて止まらないんだろう……