‡Seed‡
□姫〜別離ースレチガイー〜
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※これはアス女体化で攻な話です。ご注意下さい。
「キぃラ〜!」
スカートをなびかせながら僕の親友、ことアスラン・ザラ(♀)は僕に向かって可憐に走ってきた。
アスランと僕は幼馴染み。そして僕の片想いの相手……
ずっと前から好きだったけど彼女にはもう彼氏がいる。
シン・アスカっていう一つ年下の男の子。
悔しいっちゃあ悔しいけど仕方ない。だって僕が告白する意気地がないから……
所詮僕にはアスランは勿体無さすぎるってことなんだよ、きっと……
だから僕は諦めた。
「なぁ、どうした?考え事か?」
「あ、ううん。ってか言葉遣い直しなよ?もう18なんだから…」
アスランに声をかけられ、ふと我に戻った。
相変わらず男のような口調のアスランにあきれたようにそう指摘する。
「何だよ。今までそんなこと気にしなかっただろう?今まで通りでいいんじゃないのか?」
アスラン、それは君に恋人が出来なければ良いって思ってたから気にしなかったんだ。
それに、そのままのアスランが好きだから……諦めるために変わって欲しいんだ。
「そんなんじゃ、シン君に嫌われるよ?」
僕の言葉にアスランはムッとした表情を浮かべた。
「煩い」
「でもそこが、アスランの好きなところだったりするんだけどね。」
アスランのすね具合いに苦笑しつつ、ぽろりと本音を出してしまった。
まぁいいや。アスランはシン君のことが好きなんだからきっと気にしない。
そう思ってアスランの方に振り返った。
だけど予想を大きく外れてアスランは顔を茹で蛸のように真っ赤にしていた。
「その好きって、どういう意味だ?」
なんでアスランこんなこと聞くんだろ?
「そりゃ…幼馴染みとしてだよ」
さすがに恋愛対象として、とは言えなかった。
そのせいで気不味くなるのは嫌だから…
それで親友としてでも一緒に居られなくなるのは寂しいから…
だから僕はそう答えた。
「……なんだ。折角キラの告白現場を見れるかと思ったのにな。」
アスランの言葉に苦笑いするしかなかった。
アスラン、僕はもう告白なんてできないよ。
僕が好きなのはアスラン、君だけだから……
でも君はシン君の恋人。だから僕は何も言えない。言ってはいけない。
この心はそっと胸にしまっておくんだ。
ちゃんと忘れられるまで…