‡Seed‡
□姫〜選択-ミチシルベ-〜
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「んっ……朝……」
僕はいつもより早く目覚めた。
隣にはシャツを来て眠るアスラン。でも僕は裸……。
ふと昨日の記憶が呼び起こされた。
「なんて事をしたんだ、僕は……」
僕はアスランをきっと追い詰めたんだ。だからアスランはあんなことを…
僕は後悔で一杯だった。これ以上彼女に近付いてはいけない。
漠然と僕はそう思った。
アスランのとなりに居るのにふさわしいのは、シン君だけだ。
僕はアスランを起こさないようにベッドから出ると、取り敢えず服を着ようとアスランのクローゼットを開けた。
そこに僕が置いて帰ったままもって帰ってない制服があることは知ってる。
それを時々シン君が着ていることも。
それだからかな、クラスバッチは一年のものだ。
一応隣に三年のものが隣に申し訳程度に置かれている。
僕のものだったのに今ではシン君のもの。
それが隙間風となって僕に襲いかかって来る。
僕は言葉もなく一年のクラスバッチを外して三年のものにつけ変えた。
こうやって僕はシン君からアスランを一夜限りであっても奪ってしまった。
僕の中には後悔が渦巻く。
何故こんなことになったんだろう…と
僕はそれを着るとアスランの元に向かった。
慣れているのかちゃんと後処理はしていたようだ。
少し安心してアスランの顔を覗きこんだ。
綺麗で可愛らしい寝顔…でももう見れないね。
俺は軽く額に口付けてから、そっと耳元に顔を埋めた。
「好きだよ。でもサヨナラだね。」
僕はそれだけを呟くと、柔らかそうな頬にそっと口付けた。
初めての自分からのキスだった。
きっと疲れてるだろうと、もしかしたら二日酔いになんてなってるかもしれない。
そう思って僕は置き手紙を残した。
『今日は学校を休むように。』
それだけを書くと僕は眠り続けるアスランを置いて部屋を出た。
僕は委員会活動があるから皆より早く学校に行かなきゃならない。
ほら、一応僕って生徒副会長なんてやってたりするから。
アスランの家は僕の家よりか学校から遠い。
正直、今からではぎりぎり間に合うかってところなんだけど…
腰が痛い…
多分初めて後ろに異物を受け入れたからだろう。
ハァ…この腰の痛さは誰にもばれないようにしなきゃなぁ……
そんなことを考えながら僕は自転車を走らせた。
まるで昨日あったことを忘れようとするように…。