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□愛の形
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『ぁぁぁぁぁああ゛あ!!!』
あきの痛々しい声が部屋中に響いていた。
『あき…いいよ◆その顔…◆
もっと。もっと僕に見せて◆』
『いたい!!!い゛だい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!あああああ!!!!!』
『あぁっあき!!!』
『…。』
あきの息はない。
死んだのだ。
『あき…愛してる◆』
ヒソカは死んだあきの額に
キスをした。
‥・・‥・・
私の命は幾つもある。
幾つあるのかは知らない。
殺しても、殺しても
死なない。
ヒソカとあきが出会ったのは二年前。
暗い夜道で
快楽殺人のヒソカに出会い、私は
運悪く殺された。
痛くて痛くて、苦しかった。
今でもあの痛みは覚えている。
そして、朝。
あきは驚いた。
あきは生きていたのだ。
傷一つない身体で。
肩が重い。そう思い
あきが隣を見ると
昨日、あきを殺した
ヒソカが寝ていたのだ。
ヒソカはすぐに目を覚ますと
こちらを見てとても驚いていた。
ニヤリと笑いながら
『僕、君のこと気に入っちゃったよ★』
その日からヒソカと私は
何故か一緒に暮らしはじめた気がする。
その頃はただただヒソカが怖かった。
そして、自分も怖かった。
‥・・‥・・‥・・‥・・
ヒソカは家を空ける日が多かった。
突然現れたかと思うと
いきなりあきの中に欲をぶちこみ、また消えてしまう。
そして、殺したいときはあきを殺す。
あきは悲しかったが、
殺される痛みがやがて快感へと変わり
だんだんとヒソカに惹かれてしまったのだ。
‥・・‥・・
『ただいま◆』
今日は帰ってくるのが早い。
『ヒソカっ今日は早いんだね!』
あきはヒソカに会いたくてたまらなかった。
『うん★‥ねえ、あき。
殺させて‥・・‥・・』
ヒソカがあきの耳元で呟き
あきの首に手を付けた。
『ヒソカ…。いいよ。殺して。
ヒソカの好きなように、殺して。』
『あき…◆』