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□邪魔者な土方さん
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陽差しが暖かい春のこと。
新撰組屯所にて。



『沖田さん』

『ん?なあに、あきちゃん♪』

僕の隣でニコニコと笑って、此方を見つめてくるのは僕のあきちゃん。

今日は髪を結んでいるんだね。
かんざしは僕がこの前、誕生日にあげた物。
着物は、この前僕が京で買ってあげた着物だね。
君が手に持っているおぼんの上にはお揃いの湯呑みに熱いお茶が入っていて、湯気がゆらいでいる。
今日も僕でいっぱいな君。可愛いな。


『お茶、どうぞ』

僕が受け取りやすいようにわざわざ熱いところを持って、君がお茶を差し出してきた。

『ありがとう。』

君がいれてくれた熱々のお茶をズズ、と少し啜った。


『・・ねぇ。
あきちゃん。今日も可愛いね。』

思いのままを僕が呟くと、君の顔はすぐに紅くなる。頬が紅くなって、すごく可愛い。


『沖田さん・・なに、いってるんですか!!!もう、慣れましたけどっ。』

嘘つき。身体は正直っていうけど、本当だね。


『慣れちゃったの?ははっ、そっか。
じゃあ・・』


君の両手を掴み、自由を奪う。
そして、あきの耳元に口
を近づけ、フッと息を吹き掛ける。

『ひゃ?!!おきた、さ、』


僕は、あきちゃんをもっと知りたい。君を、愛してるからね。


『あきちゃん、愛してるよ』

と耳元で囁いた。


それから、君を畳の上に押し倒した。
障子も全部閉めてある部屋。少し暗くて、君がいつもより色っぽく見える。


『愛してる、あき。』


『わた、しも、愛してます、沖田さん・・』

二人の視線と呼吸が重なり、あきちゃんの唇にキスをした。
あきちゃんの唇、柔らかい。

しばらくは唇を重ねていた。



『おーい!!!総司!!!』
障子の外で土方さんの叫び声が響いている。
・・まあ、いいか。今、いいとこだし。

『沖田さんっひじかたさっ・・ん』

『ん?大丈夫だよ。もし、土方さんがここに来ちゃったらそれはそれで面白いし♪』

『ちょ!!・・んん・・』

また再びキスをした数秒後。

『総司ぃぃぃぃぃぃいいい!!!!!!!!!!』

スパンッッッ

勢いよく障子が開いて、土方さんが
現れた。


『おめぇ、今日の巡察当番だろうがあ!!!!他の組員はもう全員
集まってんだよ!!!組長のお前が一番最後で、しかも巡察サボろうとしてるとはどーゆうことだ!! ああ!?今すぐ来い!!!』


スパアアアンっっっっ

障子が壊れちゃうんじゃないか、ってくらい凄い力で開け閉めするんだから。

それに言いたいことだけ言って出ていっちゃったし。
この状況をみてお説教が出来る土方さんってある意味すごいな。はは。


僕の下であきちゃんがビックリしている。


『沖田さんっ!!!巡察なんですか!!???今の土方さん、かなり怒ってますよ??!!!早く、行ってください!!』


あーあ。さっきまでいい感じだったのに。

『そうだね。行ってくるよ』

あきちゃんの上から退き、すぐ傍に あった冷めきったお茶をグイ、と一気に飲み干した。

『お茶、覚めちゃったね。夜、帰ってきたらまたいれてね。』

そうあきちゃんに言い、部屋を後にした。

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