薔×薇
□お前の匂い
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初めてされた時からずっと、アイツのキスは煙草の味がした。
『お前の匂い』
シュッ…
マッチを擦る微かな音がして、コックが煙草を吸い始めたとわかった。
俺と寝た後、いつも一本吸う。
そして、吸ったら必ず俺にキスをする。
ちゅ
俺が寝ていても起きていても、必ず唇にしてくる。
「ん…。」
「悪ィ、起こした?」
「いや…。」
口内に広がる苦味が、俺を微睡みから引き戻す。
目に映ったサンジは、柔らかく微笑んで煙草を消した。
「……。」
「…どうした?」
嫌というか何というか…
「ゾロ…?」
不味いんだよ。