薔×薇

□甘いスパイス
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@コック部屋。



『甘いスパイス』


「出来たぞー。」
「腹減った…。」
スパイスの良い香りがゾロの鼻をくすぐる。
こたつに座って腕を突っ込んでいたゾロは、
サンジの言葉に顔だけをそちらに向けた。

2人分の皿を、サンジは机に並べた。
今日の晩飯はカレーだ。
「クソ良い匂いだろ?」
「ん。美味そ。」
カレーを目にしたゾロは、スプーン片手に笑った。
とても無邪気である。

「いっただきます!」
「おー食え食え。」
普段、あまり感情を顔に出さないゾロだが、食事中は素直に笑う。
そんな笑顔を誘う腕を、サンジが持っている…というわけだ。

「辛ェ!けど美味ェ!」
「今日は辛めにしてみた。」
ストレートな言葉と表情に、サンジの顔も思わずほころぶ。
「デザートもあるからな。」
「まじ?やった。」
口いっぱいにカレーを頬張りながら、ゾロは言った。


「ごちそうさまでした。美味かったー!」
食事を済ませると、ゾロはいつも手を合わせる。
ゾロのそんなところもサンジは好きだった。
「クソお粗末さまでした。」

2人で手を合わせると、ゾロが2人分の食器を流しに持っていく。
サンジが料理をして、ゾロが片付けるというのが2人の決まりだ。


ゾロが食器を洗い終え、濡れたそれらを拭いている時だった。

「ゾーロ。」

びくぅっ!!

いきなり抱きついてきたサンジに驚き、
ゾロは持っていた皿を落としそうになる。

「な、何だよ…!?」
皿を置いたゾロは、自分の肩に頭を乗せるサンジを睨んだ。
「そろそろデザート欲しいだろ。」
サンジがゾロの首筋に唇を寄せた。
ピクリと震えたゾロはサンジと向き合い、再びその目を見た。
「お前…デザートってこういうことかよ。」
「お前にとって俺ほど甘いもんはねえだろ?」
気障な台詞を投げ掛けたサンジがゾロの口元に手を添えた。

が…

バシッ!!

「んぐっ…!」

ゾロの手で口を塞がれ、キスなんて出来ない。

「歯…。」
「ん?」
「歯…磨いてからじゃなきゃ、嫌だ…。」
眉間に皺を寄せた赤い顔は、目を反らして訴えた。

ゾロの手を退かしてサンジは妖しく笑う。
左手をゾロの腰に纏わせて。
「じゃあ、一緒に磨くか。つーか風呂入ろう!」
「何で風呂まで!?」
「いいだろ。どうせ脱ぐし。」
「なっ…このド変態!!」
「変態で結構コケコッコー。」

風呂場に消えた2人は、その後数時間出てこなかった。



終。



1/22はカレーの日だとCMで知り、勢いで書いたもの。
書いてしまったもの。←
もう同棲しちゃえよ。笑

このシリーズ続いたらごめんなさい。←


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