薔×薇

□星に願いを
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『星に願いを』



「すっげえ雨…。」

窓の外を見ながらゾロが言った。
ベッドに寝転がっていた俺は、その声にゆっくりと窓の方を見た。

ああ、確かにすっげえ雨だ。
いつもの景色は、霧に覆われていて見えない。

ベッドの縁に下ろされたゾロの足が、無造作にかかったシーツから見え隠れする。
スラリと伸びたそれから、後ろの曲線まで、思わず目で辿ってしまった。

俺はもう一度窓を見てから、ゾロの腰元に抱きついた。

「織姫可哀想だな。」
「ん?ああ、七夕か。」
「俺等はこうして一緒にいられるのにさ。嵐だって大雪だって。」

首筋に唇を寄せると、ゾロの視線が窓から離れた。

「そだな。」

肩越しに俺を見たゾロにキスをする。
胸が苦しい程に幸せ。

「お前短冊に何て書いた?」

俺が聞くと、ゾロは俺を一瞥してから投げ出していた足をシーツの中に入れた。

「…書いてねえ。」

長い睫毛が震えた。

「嘘つけ。俺と結婚できますようにって書いたんだろ。」
「誰が書くかよ!」

そう言って睨んでくる顔を笑顔で見つめ、ゾロを腕の中に収めた。

「まあ、いいや。お前はここにいるからな。」

腕の中でゾロが少し笑った気がした。
湿気の多い部屋で、俺等は飽きる程抱き合っていた。



終。



あまーい。←
願い事の内容は、皆さんそれぞれのSZで。


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