ドルフィン学園

□迷い猫に御注意
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その黒猫が学園に迷い込んできたのは、3日前のことだった。


『迷い猫に御注意』


「加ト吉」と名付けられたそいつは、人懐っこくて誰も怖がらなかった。
「にー。」
「ん?どした?」
「……。」

誰も怖がらなかったが、何故かゾロによく懐いている。
ゾロが呼ぶわけでもなく、
暇さえあればゾロにすり寄ってその膝で丸くなる。
休み時間も授業中も関係無く。

ゾロはと言えば、嫌がる素振りなど見せず、
穏やかな顔で加ト吉の頭や顎を撫でる。
重いだろうに、奴を膝に乗せたまま授業を受けるのだ。

甘やかしやがって…。
俺が抱き着くと嫌がるくせに…。

ベシッ

「いでっ。」
「サンジ。なにみとれてやがる。授業聞け。」
「へいへい…。」

クソ…別にみとれてるわけじゃねえよ。

かといってこの男サンジ、嫉妬なんぞしてませんが何か。

「にー。にー。」
「ん?」

ペロペロ

ああっ!?
あんのクソ猫、ゾロの口舐めよった!!

「しっ。」
ゾロは口の前で人差し指を立てて加ト吉から離れた。
大人しくしろと言わんばかりに、しかし優しく加ト吉の頭を撫でてなだめる。
顔は…笑顔ですね、笑顔!!

嫉妬!?してませんけど!?






してませんけど!?←



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