ドルフィン学園
□壊れた轡
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「好きだよ…。」
『壊れた轡』
苦しそうに発せられたコイツの言葉を、正しく理解するのには多少時間がかかった。
「お前、何言って…。」
壁に寄り掛かる俺と対面するサンジは、壁に片手をついた状態で項垂れ自嘲の笑みを浮かべる。
「可笑しいよな…。お前が好きなんて…フッ…笑えるだろ。」
言いたいことを言ったサンジは、俺の顔なんざ見ずに腰の辺りに手を回してきた。
「ぉい…!」
上擦った声と震えは、俺だって気付かない程に微かだったのに、そんなことすらお前は見逃さない…。
「お前感度良いんだな…。」
「っ…!」
左耳から流れ込んできた声は、今まで聞いたことが無い甘さだった。
鼓動が、煩い。