薔×薇
□アニマルプレイ
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「はーあ…。」
朝から聞こえた盛大なため息。
明らかにそれが自分に向けられているとわかったゾロは、嫌々その方に目をやる。
「何だよ…。」
「何で消えちまったかなあー。折角のコスプレ…。」
「コスプレじゃねえ!!」
サンジは、ゾロをまじまじと見ながら、本当に本当に残念そうに呟く。
「サンジ!わかったぞ!」
そこへやってきたのは、船医のチョッパー。
手には大きな図鑑を抱えている。
「おっ、マジか♪」
今までの不機嫌な顔は、その一言で吹っ飛んだ。
「ゾロ、一昨日あの島の山に食料取りに行った時、何かつまみ食いしたろ。」
小さな船医の言葉を受けて、記憶をたぐりよせる。
「んー…?ぁ、そういや何かキノコ食ったかも。」
「やっぱりな。」
確信に満ちた言葉で、チョッパーは図鑑を開いて二人に見せる。
「これ。このキノコ食うと、満月の夜に半獣化しちまうんだ。」
重い図鑑を閉じて、チョッパーは続けた。
「耳と尻尾が生えて、若干弱体化するだけで、
健康的な問題は何も無いけど、半年は続くからそれは我慢だ!」
診断結果が、二人の明暗を分けた。
「そーなのか!良かったなあ、マリモ♪チョッパーありがとな!」
「おうっ!!これぐらい朝飯前だぜ!」
チョッパーは嬉しそうに戻っていった。
「半年間、満月の夜はパーティーだな★」
不敵な笑みを浮かべ、ゾロの耳元で囁いたサンジはキッチンへと消えていく。
残されたゾロはというと、いつもの昼寝が出来ず、
頭を抱えてサンジから逃げる策を考えるのであった。
「最悪だ…。」
終。
ホントは猫耳が一番好きです。