薔×薇

□爪
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「んっ……。」

長い指が、俺の熱に絡まる。
ソファーに脱ぎ捨てた自分のシャツを掴み、丁寧に絡んでくる指を見た。
俺の体に触れる時、その手は女を扱う時の様に優しい。

グリッ

「んあっ…!」

少し強い力で先端を刺激されて、思わず声が出る。

「痛い?」

俺の顔を覗き込んで聞いてくるサンジから目を反らした。
目を閉じて首を振ったが、頬に温度を感じて目を開けた。

「ゾロ。」

甘く呼ぶサンジは、穏やかに微笑む。

そんな顔で見んなよ。
そんな声で呼ぶなよ。
俺…女じゃねえし…。

「ん、ふ…。」

サンジは手を止めずに俺に口付けてくる。
ただでさえ息の上がっていたところに深く長く口付けられ、苦しさで乱れた息が零れた。

「はっ…ぁ、ん。」

手を速められ、ソファーについている腕に力が入らなくなる。
徐々に体勢が低くなっていくと、背中にサンジの腕が添えられた。
その腕に支えられてソファーに背中を預けると、サンジの長い指が口内に侵入してきた。

「ん…。」
「痛い?」

俺が軽く横に首を振ると、サンジはまた柔らかく微笑む。
サンジの指は、丁寧に舌に絡んでくる。
敏感になっている舌に触れられて肩が震えた。

何なんだよさっきから…。
うぜえ…。

サンジが指を抜くと、唾液が糸を引いた。
濡れた指は、俺の体を伝って下の方へ動く。

「ん……。」

もう何度もこうやって体を重ねてきたが、後ろに何か入ってくる感覚は未だに変な感じがする。

指で入口をほぐしながら、時々舐められる。

「ぁ…ぁ…。」

やがてゆっくりと指が侵入してきた。
根元まで入ると掻き回すように動いてくる。

「ぁ…んん…。」
「痛くねえだろ?」
「ん、ぁ…。」

ちゅ、とついばむようにキスをされた。
目の前の男は切なさを浮かべて言う。

「もっと甘えて良いんだぜ?」
「ぇ…。」
「俺は、自分だけが良ければイイなんて思ってねえよ。」
「ぇ…は、あぁっ…!」

熱が入ってきた。
中が急に熱くなって苦しい。
受け入れた自分が、その熱にせわしなく絡み付いているのがわかって、思わず顔を背けた。

くそ…。
くそ……。
そんなこと…。



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