メイン

□カレーライスを
1ページ/1ページ



「クルル殿〜。小雪殿にカレーの作り方を教えてくれて感謝でござる!」



天井から現れたドロロ先輩はキレイに着地してからそう言った。



東屋小雪はマジで手が掛かったぜ・・・。



これでお色気写真の一枚でも撮らせてくれたら救われたんだがなァ・・・。



「ま、気にすんなよ」



「小雪殿は夏美殿に喜んでもらえたと大変嬉しそうだったでござる。

これもクルル殿のおかげ・・・。まこと感謝しているでござる」



まったくよお・・・。



わざわざ礼を言いに来たってかァ・・・・・・?



ご苦労なこってぇ・・・。



そういう律儀なとこも嫌いじゃねぇがな。



「マジで気にしなくていいぜェ〜。

ドロロ先輩が体で払ってくれるっていうならありがたく頂くけどよ」



こっちの冗談に照れる様子もなく先輩は喋り出した。



「そんなことより、拙者と小雪殿で育てた野菜をおすそ分けするでござるよ」



チッ・・・。



可愛くねぇ態度・・・。



頬を赤らめる・・・とかいうアクション待ってたのによ。



「野菜よりもドロロ先輩のからだ」



「人参やジャガイモなどのカレーの具材になる野菜もあるでござるよ。

なかなかの量でござるから、食べきれるかどうかが悩みどころ・・・」



「何スルーしてくれてんだよ」



「拙者、クルル殿の洒落に付き合っている暇はない故」



お堅いなぁ、相変わらず。



「どうでもいいケドよぉ・・・アンタ」



「?・・・何でござる?」









「何でカレーの作り方知らねぇんだよ」









「な・・・何でと申されても・・・」



「オレの嫁になるなら美味いカレー作れなきゃダメなんだぜ?」



「嫁ぐ気はないので大丈夫でござる」



「おいおい、オレが婿入りすんのかよ。メンドクセーな」



「拙者完全なる男。故にそのような心配は無用。というかそれ以前に気がないでござる」



あーもう、いちいち真面目な返答だぜ。



つーかよぅ。



カレーの作り方くらい知っておけよ。



「カレー食べんのは好きなんだろ?」



「そうでござるな。クルル殿の作るカレーは特に」



お、今日、一番可愛いんじゃねーの?その発言。



「しかし、作るとなれば話は別。拙者、小雪殿と一緒に食すのは和食のみでござるから」



ま、東屋小雪もカレーの知識皆無だったしな。



ただ、カレーって簡単料理で有名じゃねーか。



本格的なものは別としても・・・。



料理の基本だと、オレは思ってたんだがなア。



「なら教えてやろうか?手取り足取り」



笑いながらそう言ってやると、ドロロ先輩は「いいでござる」と言った。



「それってどっちの『いい』?」



「教えてくれなくても結構・・・という意味でござる」



いつも通り情無いな。



「別にヘンなこたぁ考えてねぇよ。ただアンタにカレーのレシピ覚えさせたいだけだしな」



珍しく正直な気持ちが出てしまった。



・・・あまりにも先輩が素っ気ないからよォ・・・・・・。



思っていると、ドロロ先輩が笑って言う。







「そのような心配していないでござるよ」







・・・?



「あぁん?どういう意味だ?」



聞いてみると、ドロロ先輩はニッコリおめめで続ける。



「小雪殿が、拙者にカレーの作り方を教えてくれると言ってくれたのでござる。

近々拙者もカレーの作り方を覚えるのでござるよ」



・・・・・・・・・。



なんだよ・・・。



可愛いじゃねぇか。



「先輩が作ったらオレが食う・・・」



「勿論クルル殿に食してもらいたいと思っていたでござる」



やっぱりドロロ先輩は笑っている。



あ〜・・・。



自分の笑顔にスゲェ効果があるって気付いてないんだろ、どうせ。



「クルル殿?どうしたでござる・・・?」



抑えれねぇ。



「やっぱお礼はドロロ先輩の体で」



「拙者そろそろお暇するでござる。・・・では!」



・・・・・・天井裏にドロンされちまった。



まあ、今日はなかなか面白かったからいいとすっか。



ドロロ先輩にカレーを作ってもらう約束までできたしよぉ。



絶対守らせるぜ、あの約束。



てかよ。



カレーって食べ物は本当にサイコーだなァ〜。



クックーッ。















〜翌日〜



「カレーを食べるなら、隊長殿に、タママ殿に、ギロロ殿に、冬樹殿に・・・」

「アンタ馬鹿か?」

「ば、馬鹿・・・?」

「ホントKYだな」

「けーわい。・・・・・・ヒドイでござる」

「(どっちがヒドイんだろうなァ・・・)






[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ