羽生結弦

□余裕のない彼
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「…そういうことなんだ」


事の事情を説明し終えると、
納得した表情を浮かべる羽生くん。

「萩花が悪いわけじゃないね」
「あったりまえじゃん!!」
私は少し声を荒げて言った。


「でもやっぱ納得いかないかなぁ」
「…えっ??」
グイッと腕を引かれ、羽生くんの腕にすっぽりおさまった私。
不意打ちで、すごくドキドキしてる


「で、どうだった?俺以外の男に抱かれた感想は?」
すこしこもった声で尋ねてきた羽生くん。
「だ、抱かれたって…なんか嫌な言い方…」
まるで私が浮気したみたいな物言いだ。それは心外だ。


「そういうのはいいから。
…で?俺の時みたいにドキドキした?」


そういうのはいいからって何…。
俺の時みたいにって、どんだけ自信あるの…

そんな羽生くんにムッとして、少し反抗してみることにした

「別に、羽生くんにそんなにドキドキしてないし…」
私がそういうと、羽生くんは冷めた目で見つめてきたから、怖くて目を逸らしてしまった。


「よく言うよね。…今こうやって抱きしめてるだけでもすごいドキドキしてるけど?」
「―――――っ!」

私はバッと羽生くんから離れようと体に力を入れたけど、無意味な抵抗で、全然離れられない。
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