REVIVAL

□24
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二度と戻らないだろう過去


これから紡がれるであろう未来


どちらを重んじるか


24, 過去から未来へ



「契約は破棄するわ」


「それでいいのか?あんたの一族は結局”ボンゴレを守るという大義”は果たせたが、”俺を浄化し尽くす”というのには失敗したことになるんだぞ?」


俺は茅野を見た。


いつもと何一つ変わらない表情。


俺はいつもあんたら一族にこんな顔ばかりさせている気がするよ。


「茅野、どういう…?」


ボンゴレデーチモがこの場を把握できていないらしい。


「綱吉くん。これは君とは無関係な話だから気にしなくていい。
さて、もう綱吉くん、ボンゴレデーチモの覚悟は受け止めた。
君が私たちの求めて来たボンゴレボスに最も近い。だから私はこれからのボンゴレを君に託し、見守るつもりでいるから……
この風のリングはあなたに預けましょう」


「…このあと茅野はどうするんだ?」


「風の意のままに」


茅野が俺を見つめ返した。


確かに契約が破棄された今、俺は茅野の血に封印されているわけにもいかない。


しかし、もし俺が茅野の血から抜け出したとして……


待っているのは…


「茅野、俺は封印を解いてもいいのか?」


「あたりまえでしょう?私たち一族は浄化しきれなかった。でも宿主である私が契約破棄を言った以上、ヴェントのしたいようにすればいい」


「それがどういう意味なのか分かって言ってるのか?」


「えぇ、もちろん」


茅野の真剣な瞳に吸い寄せられそうになる。


俺は今まで散々あんたたちを苦しめてきた身だ。


今更救済を、だなんて何を馬鹿なことを言っているのかと言われればそれまでだが。


俺を自身の血に封印することで、茅野の一族の寿命は非常に短かった。


それだけ身体に負担がかかるということなのだ。


だったら早く封印を解いてしまえばいいと思われるかもしれないが、それはそれで違う意味での危険が伴う。


血という一番人間のアイデンティティに深く関わるところに封印されていると、封印を解いた際に茅野が……死ぬ、可能性もある。


「ヴェント、気に病みすぎよ」


「俺があんたから”でる”ってことはどういう危険が伴って来るか分かってるよな?」


「もちろんよ。でもこれは過去に決められた契約。
今更破棄して新たな契約を結ぶことはできない。
第一私にはそんなに強い力がない」


茅野の言っていることは正論だ。


だったら他の方法を探すしかない。


確かに最初はお互いに利用され、利用し、


この契約という関係をおもしろがってはいたが、


世代が変わるに連れて感じる喪失感。


俺はそんなものを感じるようになっていた。


こんな悪魔のような俺がだ。笑える。


「あんたになくても、俺にはある。
だからあんたを死なせやしないさ。ここにはジョットの生まれ変わりみたいなやつもいるからな」


俺の生まれ変わり発言に少々驚きを隠せないボンゴレデーチモ。


本当に生まれ変わりなのかは定かではないけれど、見事に瓜二つな顔や背丈を見れば、そう思うのも無理ないだろう。


「でも、そんなことがもし可能だとしても、ヴェントはどうなるの?」


俺にも分からない。


力が弱まるだけなのか、消えてしまうのか。


どちらにせよ俺には文句ない。





「もうあんな喪失感は味わいたくない。
主を守るのに理由がいるか?」



過去から未来へ受け継がれた


風は


今解き放たれん



もう誰も無くさないさ






to be continued

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