REVIVAL

□25
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一陣の風とともに


訪れる静寂


永い眠りは


永遠に


25, 未来への架け橋



私の宿命は終わりを告げた。


長きに渡って呪われ続けた私たちの一族だけれども。


呪われていたからといって、ヴェントを憎むようなことはないだろう。


彼は最後の最後まで私に尽くしてくれた。


別れ際、


「今度こそ本当に会えなくなるな。あんたらとの時間は楽しかったぜ。
俺は通常運行に戻る。
達者でな」



という台詞だけ残して空へ…


消えた。


力を失い消滅したのか、


またもとに戻ったのか、


定かではないけれど。


私はまだその辺を漂っている気さえする。


ヴェントがくれた未来への架け橋を私は一歩ずつ確実に踏みしめて行きたい。


今までさんざん過去と宿命にとらわれ続け、


何度も風のリングを見てはつぶしたい衝動に駆られそうになっていた。


このリングさえなければ…


契約の証さえなければ、と。


「私はもっと自由だったのに」


風の守護者が鳥かごの中とはなんと滑稽なことか。


「茅野これからが自由だよ。本当の意味での」


綱吉くんの言葉に空を見上げた。


「ヴェントも同じことを言ってそうだわ。
ありがとう…綱吉くん」


「これからどうするんだ?」


「これから、ねぇ。
きっと今まで通り仕事をして行くでしょうよ」


「だったら、うちに来たらいい。
今までもこれからも茅野は俺たちボンゴレファミリーの一員なんだからな」


「ありがとう。でも、とりあえずは気持ちが落ち着くまでじっとしてることにする」


私はヴェントと幼い頃に出会い。


共に今まで生きて来て、


たくさん助けてもらった。


親とは幼い頃に引き離され、ずっと傍にいて私を見守ってくれていたのはヴェントだけだった。


ある意味親のような存在だったヴェントとの別れ。


これが本当の私たちのあるべき姿だったにせよ、


心の整理は必要不可欠。


「うん。でも、連絡は取らせてほしい。
茅野が一人で思い悩むのは心配だから」


「…ありがとう」



そんなこと言わないで


放っておいてくれなきゃ


私は貴方に…






to be continued

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