REVIVAL
□29
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ほら聞こえるでしょう?
貴方と私と…そして
29, 何時でも貴方と共に
「綱吉くん!何処行きたいー?!」
「俺は茅野と一緒なら何処でも!」
波がやって来ては去って行く。
少し離れたところに立っている綱吉くんを私は見つめるしかない。
恋人になっても、結婚しても、子供ができても。
私は彼の隣に並ぶことは出来るかもしれないけど、彼と同じようにこの裏の世界を見ることはできない。
彼のために何かしてあげたくても、私に出来ることは限られてる。
一線から退いてしまったから尚更。
「綱吉くん」
私はそっと海に足をつけながら、彼の名前を呼ぶ。
「茅野、どうしたの?」
近寄って来た綱吉くんに私は向き直った。
これは彼に伝えておかないといけない。
「あのね。私はもう第一線で戦ってるわけじゃないし、イタリア人女性のようにすらっとしてたり、グラマラスな体型でもないし、そんな魅力的じゃないし、いっぱい迷惑かけると思うし、綱吉くんと同じ目線には立てないけど。
それでも綱吉くんを支えたいって気持ちはココに強く…あるから。
貴方に助けて貰ったことも忘れない。
だから、一緒に歩いてもいいかな?」
私の言葉に綱吉くんは少し眉を顰めた。
そして、更にゆっくりと私の方へ歩み寄って。
「茅野、それは違うよ。
茅野は魅力的だし、夫婦なんだから同じ目線に立ってる。
それに、無理して俺を支えようとしなくていいから。そばにいてくれたらそれで…
あと、茅野を助けたのは俺じゃないよ。ヴェントだ。
もう茅野は俺の隣歩いてるから」
綱吉くんは私をしっかりと抱きすくめて、耳元で笑った。
「じゃあ式は何処でする?」
「結婚式も新婚旅行も茅野の思うままに」
どれだけ経っても、貴方への想いの丈は募るばかり。
もうどこにも行ったりしないから。
そばに居させてね。
ありがとうヴェント
ありがとう風の守護者
ありがとう綱吉くん
みんな愛してる
to be continued