ボーダーライン

□2.
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「そういえばさ…」


私はふと思い出して顔を上げる。


「来週、町まで行くんでしょ?」


「うん、城下までね。行くけど?何で?」


「私も一緒に行きたいなーって…」


「いいけど…俺の用事にちゃんと付き合うならな」


「はいはーい。ちゃんと付き合いますよ」


私は口を尖らして答えた。


「何買いに行くの?」


「買いに行くんじゃなくて、売りに行くんだよ」


「売るの?あぁ〜この間村長に頼まれてたあれか!」


「最近魔物も賢くなったから、売りに行ったりする時に襲われたりするらしくて」


「だってリンク強いもんね」


「そんな強くないよ。セラフィナの方が強いだろ?」


リンクが苦笑いして答える。


言っておくけれども、リンクは剣術は上手いし、馬術とかにも優れてるし、何しろ器用だから、村のみんなからは尊敬されている。


「よくお分かりで」


くすくす笑い返す私もまた一応女だけれど、剣の使い手である。


ちなみに未だリンクに負けていない。


女だからって舐められたくない!


馬にも人並みに乗れるけれど、リンクのように愛馬がいるわけじゃないから、リンクほど慣れてはいない。


「今度また手合わせしてよ」


「え〜またぁ?」


「またってなー、結構前だろ?何としてもセラフィナに勝ちたいんだよ」


「いや、100年早いね。私に勝とうなんて!」


挑発的な笑みを零して、私はパンを口に運ぶ。


そういえば来週町まで買い物に行くって話からなんで剣の話になっちゃったんだっけ?


まぁ、いいか。






to be continued
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