short stories

□君となら何処へでも
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もうすぐきっと全部終わるんだ。だからもう少しだけ待っててほしい。
俺は絶対に君を迎えに来るから。
そうしたら俺と一緒に大地で生きてほしいんだ。
え?スカイロフトのみんながいないのはさみしい?俺も寂しいさ。
でも、ナマエが居てくれさえすれば……って恥ずかしいこと言わせないでくれよ。
でも、これは本心だから。なんならまたスカイロフトにだって遊びに来れるしさ。

俺、ゼルダを探してあちこち旅して、そのあともいろいろあってまた世界を回ってたけど、ナマエにも見せたい景色がいっぱいあったんだ。
スカイロフトにはない青々とした爽やかな森、きらきら輝く湖、とっても暑いけど面白いやつらが住んでる火山、こっちも暑いけど…古代の遺跡が残る砂漠。
もっともっと面白いものが地上にあるんだ。
そんなところで、ナマエと暮らしたいなんて我儘かな?

あのフィローネの森なんかでピクニックなんてしたらきっと気持ちいいだろうなー。
ナマエの手作りサンドイッチを持ってさ。あそこなら丁度いい切り株もあるし、何より木陰があって過ごしやすいしさ。
火山や砂漠でピクニックなんてできないしね。

ふぅー
なんだか今日は喋りすぎたかな。退屈しなかった?
え?みんなはって?
ゼルダは地上で生きるんじゃないかな?バドはどうなんだろう?
わからないけど、地上に行ったらたまに空が恋しくなるけど、地に足着けて生きてるっていう実感が湧くから不思議だよ。
早くナマエを連れて行きたいな。あ、まだもう少し待っててね。

さて、と。そろそろ行こうかな。
え?これ、くれるの?ありがとう。
ナマエの手作りクッキー美味しいし、旅の途中でも小腹が空いたときに食べると安心するんだよ。なんだか胸がほかほかする感じ。
なんだよ、笑うなよ。事実なんだからな。

じゃあ行って来るよ。
次にナマエと会うときは、きっと悪者倒して来るから!
だからそのときは…




君となら何処へでも



「そのときはリンクと一緒に大地で生きる!でしょ?」
「うん、だからナマエ。待ってて」
「今まで随分と待ったから、このぐらいお安いご用よ。
行ってらっしゃい!リンク!
無事に帰ってきてね」
「ありがとう、ナマエ」




緑衣の勇者は少女に誓いのキスを贈った。






fin.

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