悪魔がいる部屋
□出会いは
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「永遠の時を手に入れたいなんて、人間って本当に馬鹿だよねー」
「そうそう、それがどんなに辛いことかも知らないで。あたしたちなんて何年学生やってんだーって感じ」
「まだその域に達してないでしょ。私達、まだ600年も生きてないんだから」
「そうだね・・・まだこれからのお子様だね・・・」
4人の少女たちは、無邪気に笑う。
正に永遠とも呼べる長い時間を生きているほかは、何一つ人間と変わらない。
しかし彼女たちは悪魔だった。
少なくとも、そう呼ばれる存在だった。
「でもさ、私、人間にあってみたいな」
赤くて長い髪の子が言った。
3人の視線が集まる。
「え・・・?何?」
「行った事ないの?人間たちの世界」
「えっ、行った事あるの!?」
「あ、当たり前じゃん。いまどき誰でも行ってるよ、ねぇ?」
真っ黒なショートヘアの少女に言われ、2人はうなずく。
「うっそぉ。行ったことないのって、私だけなの??」
「テレーゼは箱入りだね、ホント。そんなとこがいいんだけどさ」
「行きたい、人間に会いたいよ。会って話がしてみたい」
「じゃあさ、今夜皆で行こうよ。集合は9時ね」
「うん!」
この好奇心が、後にあんなことになるなんて。
まだ誰も、夢にも思ってなかったわけで。