怖い話@

□「さっちゃん」
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昔流行ってた噂話です。 ある所に「さちこ」と言う3歳の女の子がいました。このさちこちゃんはよく「さっちゃん」と呼ばれていました。けれど歳の割りには他の子と比べると明らかに身長が小さかったのです。さっちゃんは小さいながらも悩んでいました。 そこで、さっちゃんは大好きなお母さんに「どうすればもっと大きくなれるの?」と聞きました。お母さんは、「牛乳を飲んでバナナを沢山食べるときっと大きくなるわよ、この二つは栄養がいっぱい入ってるからね」と言いました。でもさっちゃんは牛乳がキライだったので、バナナだけを毎日1本ずつ食べていました。 翌日の夕方、さっちゃんとお母さんは買い物に出掛け、昨日でなくなったバナナを買いに行きました。お母さんはさっちゃんが毎日頑張ってる姿を見て「さっちゃんいつもバナナ食べて偉いわね、じゃあ家に帰ったらバナナを使った美味しいデザート、作ってあげるからね」と言い、さっちゃんは嬉しくて仕方がありませんでした。 その夜、残酷な事件が起こりました。家路に着く途中、さっちゃんとお母さんは通り魔に逢い、さっちゃんは心臓を一突き、お母さんは手足を切り取られるという、なんとも悲惨な殺され方をしました。 その通り魔はいっこうに捕まらず同様に手足を切り取られての惨殺事件が続き、同一人物との推測で捜査が進められて行きました。 とある男の子、A君は噂話が大好きでしょっちゅう友達と学校で恐い話をしていました。
「最近の惨殺事件って、さっちゃんって言う女の子の幽霊が殺した犯人を怨んで探し回っているんだって、しかも殺し方はそのお母さんが殺された時と同じ、手足を切り取るんだとさ。それでね、必ずやらなきゃいけない事があるんだ、この話を聞いた人は、寝る前に枕元にバナナの絵を置いて寝なきゃ、さっちゃんがその人を犯人だと思って切り殺しに来るんだってさ。」「そんなデタラメな話はやめなさい!!それより早く席に座って!」K先生が教室にそういって入ってきました。渋々A君は席に着きました。 その日の夜 、A君はそんな噂話すっかり忘れてぐっすり眠っていました。 そして夜中2時過ぎ…、寒くてA君は目が覚めてしまいました。すると急に体が動かなくなりました。「これって、金縛り!?」 金縛りにあって数分経った時に、足元の窓から何か聞こえてくるのです。 
「さっちゃんはね、さちこって言うんだほんとはね…」するとカーテンの反対側に小さい女の子の人影が見えました。A君はここで自分が大失態をやらかした事に気付きました。「さっちゃんだ…、ヤバイ、バナナの絵、、、書いてない…」 すると女の子はカーテンを擦り抜けて、部屋に入ってきました。片手には大きなカマを持って、女の子とは思えない程、歪んだ形相でこちらを睨んでいます。A君はあまりの怖さに目をつぶる事さえ忘れ、ただひたすら知っているお経や念仏をがむしゃらに唱えていました。でも全く効く様子もなく、さっちゃんはA君の周りをぐるぐる回りはじめました。 「さっちゃんはね、さちこって言うんだ、ほんとはね…」しだいにどんどん声が女の子の声とは思えない位のガラガラ声に変わっていきました。そしてスッとA君の足元でさっちゃんは止まり、A君の膝の辺りにカマを当てました。刃物のひんやりとする感じが全身をさらに恐怖に陥れました。 「オ゛カ゛ア゛サ゛ン゛ノ゛手足カ゛エ゛セ゛!!ナ゛イ゛ナ゛ラ゛、オ゛マ゛エ゛ノ゛手足モ゛ラ゛ッ゛テ゛ク゛!!ィヒヒヒハハハー!!」
そしてカマを振りかざした瞬間、「ゥギャア゛ア゛ア゛ァ゛ァァ!!!!!!」 さっちゃんは壁に吸い込まれるように消えて行きました。 そして金縛りが解けて、A君はふと机を見ると、そこにはA君のお母さんが置いてくれた、バナナがあったのです。A君のお母さんとバナナのお陰でA君は助かりました。 その次の日、A君は昨日の夜起こった事を学校の皆に話しました。けれど誰も信じてくれるワケがありません。 そうしてるうちに、副担任のN先生が教室に入って来ました。「皆さんに大変悲しいお知らせがあります。昨夜、何者かによりK先生が殺されました。手足を切り取られ、布団の中で亡くなっていたそうです…。」A君達は皆、血の気が引きました…。 そうなんです、あの時K先生はさっちゃんの噂話を聞いてしまっていたのでした…。その翌日には3人の死体が同じ死因で見つかったそうな。いずれも何処を探しても手足は見つからないそうです…。 これはあくまで噂話です。この話を見てしまった人は、なるべくバナナの絵、画像、実物どれかを枕元に置いて寝た方がいいと思います。信じるも信じないも勝手ですが、僕は何が起こっても知りませんから…。

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