怖い話@

□「次はおまえだよ」
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近隣では有名な話です。と、ある四人家族が旅館に宿泊し、そのまま深夜に母親がトイレで惨殺されているのが発見されました。 全身を刃物で滅多刺しにされ、顔面は誰だか判別がつかなくなる程に切り刻まれ、そして死体には舌が残っていませんでした。 朝、布団にいない母親に気がついて空かないトイレの鍵を壊し、変わり果てた母親をみつけたのは娘です。またトイレには数センチ幅の格子のついた窓とちいさな通風口がありましたが他に進入路はありません。 警察はその旅館を経営している夫婦、その息子、近辺で注意リストにのっている人物に片っ端から事情を調べていったけれどどうにも糸口がみつからず…このまま迷宮入りになるかと思われたある日。警察にやってきたのは当の旅館の経営者夫妻とその息子。 息子の頭を押し下げると母親が話し始めました。「近所の目もあって、なかなか正直に言い出せずにいましたがお話しします…」 「うちのバカ息子は盗撮が趣味でして…いままで再三注意していましたが、事件当夜もビデオカメラで天井裏から個室を撮影していていたのです。
あの事件のとき…いや、テープを観てもらうのが一番かと思います。」 息子はそこで恐怖が蘇ったのか半狂乱に。彼の精神に異常をきたすほどの何かがこのテープに入っているのかと思い捜査員達もテープを再生するのを恐れながらビデオを再生した。 映像が映る。カメラはまず排尿する女性を上から写していた。服装から被害者と思われる。そして和式便器にしゃがんでいた女性が立ち上がろうとしたその時、小窓からガラスの破片らしきものを握った小さな、15センチほどの老婆が音もなく飛び込んできた。女性は悲鳴をあげる間もなく咽をかき斬られ、そして顔を、体を斬り付けられ… 女性が息絶えると小さな老婆は死体から舌と頭皮の一部を切り取ると、天井を見上げ「次はおまえだよ」と言って小窓から出て行った。 捜査員の中には嘔吐するもの泣き出すもの恐怖の余り失禁する者までいたという。結局事件は未解決のままだが件のテープは県警の資料庫の奥深くにいまも保管されていると言う。

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