反逆 R-2
□ゆめの、すこしあと
1ページ/1ページ
相変わらず馬鹿だなぁ。なんて言われて
このすこしあいた距離がもどかしくて、
この手を伸ばして...
そんな、夢を見て。
目を覚まして、咄嗟に君を探してしまって
気がついて、少しだけ笑った
また今年もこの日がやって来て、僕だけが目を覚まして、君だけがおいてけぼりで。
声が聞きたいよ
抱きしめたいよ
抱きしめてほしいよ
叶わない願いだけが柔らかな世界にぽつりと落ちて沈んだ。
人々の笑い声も、暖かな日差しも、澄み渡る青空へと伸びる木々も、唄うように優しく揺らす風も何もかも。
すこしだけ優しくなった世界なのに、
なんで、一緒にいたあの日々には届かないのだろう。
君の隣で見た世界は、何よりも美しく優しく柔らかくて
美しさだけが残った世界に、君はいなくって。
君だけがいなくって。
夢をみて目が覚めて
君はもういないけれど、もう届かないけれど
二人で生きてた世界が、いつまでも輝きにあふれていれば、いい
*****
だからおやすみ。
.