花と蜜バチ

□紹介篇
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確かに昼間、いつものサボり同様に昼寝をした


「若いといくらでも寝れる」


とか、前に近藤さんが言ってた事もある

そうだ、いつもならこんな時間とっくに寝ている午前三時


お願いだから、寝ろ、俺





ちゅんちゅんちゅん

ありきたりな朝のBGM

朝っていうか……徹夜しちまった

時計を見やればまだ五時だ

諦めて体を起こし、伸びをする


「ンンッ……」


やたら体が痛い気がして頭を掻いた


「ねむ……」


約束の時間まで、あと八時間

どうやって過ごそうか、沖田はぼんやり外を見ていた


「土方さん、おはようございます」


気持ち悪い挨拶に振り向く土方


「総悟、今俺に挨拶したのか…ってクマ酷ッッ!!」


いつもの大きい瞳はどこか濁り、目の下には思いっきりクマが出現していた

煙草を落としそうになりながら、沖田の顔をまじまじと見る


「お前どーしたんだ?寝てねぇのか?」

「寝てないっていうか……土方さん、今日のちゃんとわかってますよねィ?」


お返しとばかりに土方の顔をまじまじと見返す


「ぁん?あぁ…俺に会いに誰かくんだろ?確かお前の知り合いとかなんとか…」


知り合いどころか、自分の彼女だと今だに切り出せていない沖田


「土方さん、粗相の無いよう頼みやすぜィ?」


はぁ!?と、今度は確実に灰が落ちた


「なんだよ!誰来るんだよ!?いい加減教えとけ!」


怒声をひらりと躱して


「いいですかィ、一時ですぜ?それまでに用事全部済ませて、きちんと準備しといて下せェ」


それだけ言って、その場を後にした


「な、なんなんだよッッ!」


わけのわからぬまま、めんどくさい事になるだろうということだけは予測がついた


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