□君キス
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燐がわたしに言った一言


「雪男風邪引いてんだよ」


燐がここに居るってことは
雪男は一人きりのはず

寂しがりな雪男(わたしの想像上)は
苦しんでいるだろう





「わたし雪男のとこ行ってくる!」



祓魔塾は欠席

仕方ないよね、雪男の看病しなきゃ!






とりあえず熱さまシートと
薬、飲み物諸々を持って
男子寮に向かった。






部屋の前までいくと中から咳が聞こえて
慌てて中に入る




「雪男大丈夫?!」



「なまえっ…?なんで」



「燐に聞いたの!てゆうかわたしに
言ってくれれば来たのに」


「なまえ、塾は?」



「休んだ。勉強なら雪男に教えてもらうし」



呆れ顔の雪男は気だるそうで
汗をかいて苦しそう






…不謹慎だけど色っぽいと思う





「ゆ、雪男薬飲んだ?」


「一応…」


「では魔法の飲み物を君にあげよう」





袋から取り出して雪男に見せつけてやる




「……栄養ドリンクだよね、それ」



「ネタばらしはよくないよ。
15歳以上服用OKらしいよ。
良かったね、高校生で」





いつでも飲めるように
水やら魔法の飲み物やらを
手の届くところに置いた








「…大丈夫?しんどくない?」



タオルで汗を拭いて
おでこを撫でる






雪男が上半身を起こして
水を飲んだ



「いつもそんな風に優しいといいのに」


「う、うるさい!
………キャラじゃないでしょ
毎日わたしがこんなんだったら」





「僕は大歓迎だけど」




「…かわいげなくてごめんね」




「かわいいよ」



照れてるのか、風邪なのか


顔が赤い雪男がそっぽを向く




「はやく、風邪治してね」

ちゅっ
雪男の頬にキス



「あぁ、ありがとう」



雪男がわたしにキスをして
眠ってしまった





(眠る君に、もう一度口付け)






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うふ、うふふふ

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