過去拍手

□遠くから君に愛を
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遠距離恋愛と聞くと、なんだか苦くて甘い感じがする


実際に遠距離恋愛なんてやってみると
一番会いたいときに会えなくて
近くに居たいときに傍に行けない
もどかしさが上回ってる






この時期にもなると日暮れが早くて月も見えている



最近、空なんてゆっくり見てなかった
久々に見る空はすごく綺麗に見えて
ベランダから空を撮ってみた





「あ、意外と綺麗に撮れた!」



雪男にも見せたくなって添付メールを送信




「雪男、忙しいかな…」




もう一度空を見上げてみる




深呼吸をすると金木犀の香りがした





「はー……」




いきなり手の中で震える携帯に目をやると
メールの着信を知らせるものだった




「あれ、雪男返信早いなあ」



いつもは夜くらいに返信してくる



「ちょうど時間あったのかな…」





中身を見ると雪男らしいシンプルなメール





『こっちも見えるよ』



その言葉と添付写真




全く同じ景色ではないし、同じ角度でもない



でも 見える月は同じ形



それだけで、なんだか嬉しくなって
共通点なんて見出だせない毎日だけど
同じ空を見てるんだと思うと


嬉しくなって、切なくなった




返信しようとすると雪男から続けてメールが届く



『休暇もらったんだ
久しぶりに会える?』





その文面を読んだだけなのに
心拍数が跳ね上がって落ち着かない




「会いたい!待ってるね」



そう返信してまた空を見上げる




遠距離恋愛の甘い部分は
久しぶりに会えるという
胸を締め付ける嬉しさだと思う

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