過去拍手

□君で濡らして
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「最近乾燥するねえ」



「そう言う割りには手、綺麗だね」



「そりゃ、気にしてますから」



ふと雪男の手を見ると酷くはないけど乾燥してる




「雪男、ちょっとちょっと」



座ってた椅子の隣を叩いて招く




「?なに?」





鞄からポーチを取り出してハンドクリームを取る





「はい、雪男手貸して?」



まだ理解が出来てない表情の雪男は手を差し出す



その手を握ってハンドクリームを塗る





「雪男はあんまり気にしないの?」



雪男の大きな手にクリームを塗り込む




「…まあ、男だしね」



「じゃあ雪男の保湿係はわたしだね」




左手が終わって右手を握ると
その手はわたしの手のなかではなく
わたしの顎をとらえる




その後の行動は速くて頭がついていかない



確かな柔らかさと暖かさが唇に触れている






「っ………」




ゆっくりと離れていくと思ったら
また唇は触れて、何度も繰り返した








「ふっ……雪男っ!」





少し上にある雪男の顔を見ると
怪しくも優しく笑いながら
保湿係なんでしょ?と言う





「手だけじゃ、ね?」



また触れる唇は熱くて優しくて
溶けそう、とはこんな感覚なのだと実感した

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