□溺愛中。
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雪男の部屋にある本はむずかしいから
持参の本を読んでいると
隣に居る雪男が本を閉じる


もう読み終わったのかな
どんな本だったんだろう

次はなに読むのかなって思ったとき


後から抱き締められる。
座ったままだから必然的に
雪男の足の間に入ってる状態。



「ゆ、雪男っ……」


本を持つわたしの手に雪男の手が重なる。


「この本おもしろいの?僕も読んでみたいな」


「か、貸そうか?わたし好きだよ」


「いや、いいよ。今読むから」


今読むって!まだ読みはじめて五ページですよ!



雪男の顔がものすごく近くて
どきどきひやひやする


顔を少しずらせば当たってしまう。




「…………っ」


緊張してガチガチしてると
本のページを捲った。


「…なまえ、ちゃんと読んでる?」



「えっ…読んで、るよ?」


わたしの肩に顎をのせ、超密着。



やばいよ、やばい!近いよ雪男!



なんとかして離れてもらうために
話しかけたとき、首筋に柔らかい感触がした。



「わっ……」



「ちゃんと読んでね」



また読書を再開する雪男に寄りかかって

集中できないまま、また読んでるフリ


そうしてまたキスされての繰り返し



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ただお互い構ってほしいだけの話。

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