□捕まえて
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「雪男くんのばか!」


「なまえ…!」



本当に些細なことで喧嘩した。

仕事も勉強もする雪男くんは忙しくて
わたしに構ってられないのは
十分理解してるつもりだった。


雪男くんが忙しくてイライラしてる時に
わがまま言ったわたしも悪い。



でもただ、少しでも話してほしかっただけだった。








「わたし雪男くんに迷惑かけてばっかり…」



飛び出して歩いてると何回か雪男くんから
電話やメールがきた。


『いまどこにいるの?』とか
『なまえごめん』とか
わたしが悪いのに優しい雪男くん。




意を決し電話をかけようとしたら
もう一度電話がきた



「……雪男くん」


『なまえ、いまどこ?』


「ねえ雪男くん」


「わたしたち別れようか…?」


『…えっ?』


「雪男くんに迷惑かけてばっかり。

重荷に、なりたくないの…」


『…いま、どこ?』


「探さなくていいの。
このまま終わりにしよう」


ありがとう、ばいばいって
涙声で言ってしまった。

どこまでも自分勝手で嫌な女。



堪えた涙は溢れてきて頬を伝う


立ち止まってしまう
泣きじゃくって子供みたい。


会いたいと思う
雪男くんって呼んでみた






刹那、背中に体温と大好きな香り。




「はぁ、はぁはぁ……見つけた」


「……雪男、くん」



「ごめん、なまえ。ごめん……」


何度も謝る雪男くんは小さい子供みたいで
すがるように抱き締めてくる



「雪男くん…?」


「僕が悪いなら謝る。
だから………だから別れないでほしい

なまえっ……」



腕をほどいて雪男くんの胸の中から出ると
正面から強く抱き締められた。



「雪男くんごめんね…
わたしわがままで自分勝手で…」


「迷惑だし疲れるでしょう?
無理しなくていいの、嫌なら嫌って「なまえ!」」


「なまえが大切なんだ…」



また強く抱き締めてくる。


「わたしっ……迷惑にならないようにするから…だから!

さっきの別れたいって
嘘にしても、いい?」


泣きすぎて声になったかわからない


顔をあげると優しく笑った雪男くんが居て
わたしからキスをせがむ。


口づけを交わして笑いあって



「好きだ」


「ん、わたしも好き」





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思いつき\(^o^)/
たまには切な系も。

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