青春の稲妻

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その後ろを智美がついてくる。



「ついてこなくていいから。」



「別についていてるわけじゃないし!

 教室の方向なんだから!」



いきなり逆切れ…。
面倒くさい…。



「コウも教室行くんでしょ?」



「行かないよ。」



「は?なんで?ここまで来たのに?」



「メンドクサイから保健室行く。」



「メンドクサイは病気じゃないんだよ?」



「うっさい。」



ホント智美はいちいちうるさい。

小さい頃は何でもアタシの真似して言うこと聞いて
ついてきてたのに。

色々助けてやったのに…恩をあだで返すのか…?



歩いていると急に後ろをついてくる足音がしなくなって
振り返ってみると

智美が少しさみしそうな顔をしていた…。



…。



関係ないよ…。



そう思って保健室に向かった。





保健室には大堀先生。

新米の若い先生で
高校には不適切だろ?ってくらい
みだらな感じで白衣を着ている…。

そんなにざっくり胸元のあいたシャツは…。



前に指摘してみたら



「いいじゃない。女子高なんだから。」



なんて言ってた。

ちょっと鼻にかかった
なで回すようなエロい話し方が特徴…。



…女子高って言ったて

現にアタシみたいなやつもいるのに…。



そう思いながら保健室に入って
真っ白なベッドの上に寝転がって目を閉じる。

大堀先生はアタシのこんな行動を黙認している。

きっと面倒なんだろう。

所詮、教師なんてそんなものだし。





「コウいる〜?」



という気だるそうな声で目覚めると
すでに放課後の時間だった。

友美が保健室まで来ていた。



「いるよ〜。」



なんて寝起き丸出しの声。



「コウ〜暇だからかえろ〜。」



「わかった〜。」



お互いのだる〜い感じ。

幸いなことに才加から部活の連絡が来ない。



起き上がって学校を後にした。



いつも通り家とは逆方向の友美の家まで
友美を送る。



「あがってけば?」



という友美の言葉に甘えて家に上がる。



友美の部屋は女子高にしてはちょっと落ち着きのある感じで
でもところどころに
化粧道具やネイルグッズとか
おしゃれなアイテムが置いてある。



友美に出されたコップの麦茶を飲みほして

そのまま崩れるように友美に覆いかぶさる。



友美の方から
特徴的なアヒル口が噛みつくようにキスをしてくると

OKの合図。



安っぽい恋愛のドラマみたいな甘い感じは
2人には似合わない。



一戦交えて
腕の中で友美が色っぽく息を切らしている。

ふと時計を見ると18時を回っていた。



19時にスタジオの約束だったのを思い出す。



友美にキスを落として

八重歯を覗かせて笑う友美に見送られて
部屋を後にした。
 

 
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