Nobody can Say.

□禁じられた2人
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=====tomomi=====



「優子…?」



「なーにー?」



優子はいつも
年上とは思えないほど無邪気な返事をする。



「ううん、何でもない。

 呼んでみただけ…。」



「変なのー。」



そう言うと優子はメンバーとジャレ始める。

見慣れたいつもの光景。



「おしり〜〜〜〜〜!!!!!」

「こじぱ〜〜!!好きだよ〜〜〜!!!」



優子はきっともう忘れちゃったよね…。





永遠を信じあってた頃を…。





急にその場にいるのが嫌になって
楽屋を飛び出してきちゃった…。

とも、なにやってんだろう…。



トイレに入り鏡を見ると
凄く暗い顔をしているともが映ってる…。

はぁ〜。





「とも〜み?

 なんかあった?相談なら乗るよ?!」




優子が追いかけてきてくれたんだ…。

優子はそうやって
時々、嫌になるほど大人の行動をとるよね…。



「なんでもないよ。」



「なんでもなくないじゃん!」



その言葉で再び鏡で自分の顔を見た。

…何で泣いてるの?



「何で泣いてるの?」



優子の質問はともと一緒だよ…。



「わかんない…。」



「とも〜み…。」



優子が傍までやってきて
トモの頭をポンポンと優しくなでる…。



わかんないのに…
優子のその優しさが凄く怖いって思っちゃう…。

あのころの想いは
ともの片思いだったんだってわかったから…。

優しくしないで…。



そう思うと涙が止まらない。



そのまま優子はともを優しく抱きしめた…。



小さな優子がすごく大きく感じる。



「優子…?」



「なに?」



もうあの無邪気な返事じゃない。



「とも、

 やっぱりまだ

 優子のこと…

 …好き。」



振り絞った声は優子に届いたかな?

どうぞ

叶わないこの恋を許してね…。



「とも〜み…。

 ずっと想っててくれたんだね。

 嬉しい。」



その瞬間
優子の唇が
ともの唇に重なった…。 
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