Nobody can Say.

□Lie〜赤い糸〜
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=====Atsuko=====



付き合いだしてまだ2ヶ月

互いの事はずっと知ってたし

理解してきたから

あの時落ち込んでいた

君を慰めればこうなる事はわかってた。

気持ちを試した訳じゃない

君を愛していた。

ううん。

愛してる。

嘘じゃないよ…。






あの日
智の部屋に行ったとき
ふと目についたカレンダー。

何かの記念日が記されていた。



「今日なんの日だっけ??」



って訪ねたら

智は少し戸惑って



「前の相手の誕生日だよ?」



と笑って答えた。

そして
その子の話を始めた。



そんな話は耳をふさぎたくなる…。



確かに
智がその子といた3年の思い出にはまだかなわない。



それでもこんなにスキなのに…。



あの日から
すれ違いの数が多くなっていった…。



呼吸さえも苦しいほど思ってるのに…。





仕事が終わったあとの真夜中の歩道橋

その手すりに智は顎を乗せて
何か考えている眼差し…。

でも
あんなに分かり合っていた気持ちが
読み取れなくなって黙り込んでしまった…。

私は
歩道橋の下を通る車のヘッドライトを眺め
その儚さに
ただ怯えることしかできなかった…。



そんな

心の通わないやりとりばかり
これ以上繰り返すよりも

智の心が答えを出すまで
このまま2人
会わない方が良いと思った。



それが明日でも

5年先でも

ずっとここで待ってるから…。



約束しようよ?

心に赤い糸をしっかり結んで…。



もしその糸が
智にはまだ見えないなら
世界中の灯りを消して

愛しさと一緒に闇の中で光らせるから。



今の私に出来る事は

智を

待ち続けることだけ…。



智もきっと

この愛が不変的なモノだってきっと気付くよ。



   
   
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